小さな発信が自分のやりたいことにつながる|ボーカロイド・プロデューサーSumiaさん
Sumiaさんは、2019年に活動を開始しているボーカロイド・プロデューサーです。17歳でボーカロイドの音楽制作を始め、現在はプロの音楽家として活躍しています。
自身の楽曲リリースの他にもVTuberへの楽曲提供やテレビやラジオへの出演・ライブ配信アプリのイベントの審査員を行うなど、幅広く活動しています。
本日は、Sumiaさんの活動内容や音楽制作に対する想いについて伺いました。
世界観とストーリーに惹かれて現在のスタイルに
____Sumiaさんの活動内容を教えてください。
高校生のときにボーカロイドを知り、自分でも歌わずに曲を作れることに魅力を感じて、音楽制作を始めました。
開始当初はうまくいかない時期もありましたが、YouTubeなどで作品を発表していくうちに徐々に注目されるようになっています。
____いつからボーカロイドでの音楽の制作をされていましたか?
高校生のときからボーカロイドを含めた音楽制作を始めており、今年で5年目になります。
______音楽制作に興味を持ったきっかけはなんですか?
中学生の頃からカラオケが好きで、よく行ってました。そのときに「音源の構成がおもしろいな」と感じていたんですよ。
高校生のときには軽音楽部に所属していました。その頃から音楽作りにも興味を持ち、音楽制作を始めています。
______ボーカロイドに興味を持ったきっかけはなんですか?
小学生のときにボーカロイドに出会い、中学生の頃にはすでに夢中になっていました。
ボーカロイドは、自分で歌わなくても曲を作れる点も魅力の1つ。とくに影響を受けたのは、同じくボーカロイド・プロデューサーをしているsyudouさんです。
______初めからダークサイドよりの楽曲作りをしていましたか?
初めはポップな曲やバラードを作っていました。僕は昔からゲームや漫画が好きなんですが「ヒロアカ(僕のヒーローアカデミア)」の主人公の敵であるヴィラン側に焦点を当てた作品を見たときに、これまでにない視点を知るきっかけになりました。
ダークサイド側のストーリーに心を動かされ、興味を持つようになっていったんです。ほかにも映画「ジョーカー」といった作品に影響されて、現在のスタイルになってます。暗いイメージの世界観や音楽性を表現したいですね。
___音楽制作にどのような想いを込めていらっしゃいますか?
先ほどもお話ししたように、暗いイメージの世界観や音楽性を大切にしていて、どんな人にもストーリーがある。その人間の持つ暗い部分をどんなふうに表現できるかを考えています。
ボーカロイドであれば、イラストやアニメーションで自分の世界観を描写できますし、音楽的にも視覚的にも自分のキャラクターや雰囲気を作ることができればいいですよね。将来的には、他ジャンルへの挑戦もできればいいな、と思っています。
______技術的な面でこだわっている点はありますか?
そうですね、音程やリズムなど細部にこだわっています。可能な限り人間らしい自然な歌声を作り出すことを心がけています。
発信は「やりたい」に突き動かされて
____普段はどういったところで発信や販売をされていますか?
主にインスタグラムやYouTubeを中心に活動しています。海外の方からもコメントをいただくこともあり、海外の方にも見ていただけることを実感しているんですよ。
現在は、楽曲のサブスク配信と、ボカロ限定のイベントで作品を販売しています。
ありがたいことにファンの方も増えて、ファンクラブサイトを作ることもできました。そこでは、音源の先行発表やブログ投稿をしています。
___音楽の出品はいつから始めましたか?
17歳の頃に、急に曲作りをしたいと思い立ちました。僕は、やりたいと思ったら突っ走ってしまうタイプなので、本当に衝動で始めていたんですよ。
___音楽作品を出品したきっかけはなんですか?
僕が気づいた頃には、すでにインターネットに囲まれている環境がありました。ですから、動画のアップロードや投稿することは、当たり前だったのかもしれません。
躊躇することなく「やってみよう」と思って、始めてみたという感覚です。好きで作っている間に、今度は「どこかで発表してみたい」という気持ちになって。
そこで、YouTubeにアップロードしたりSNS投稿ができたんだと思っています。
______同じように動画投稿をする友達や知り合いは周囲にいましたか?
そうですね、他にはいなかったと思います。ですが、SNSが身近にあったので、そんなに抵抗感はなかったんですよ。
好きなことだからこそ続けられた
____音楽活動を中断していた時期はありましたか?
音楽制作に関しては、中断することはありません。確かに、始めてから2年くらいは今と比べるとなかなか見てもらえない状況でした。でも、自分の音楽スタイルが決まってからは、徐々に右肩上がりを維持しています。
_______好きな音楽活動だからこそ続けられたと思いますが、挫折や苦しいときもあったと思います。そんなときは、どのようにして乗り越えられましたか?
スランプに陥ったときは、好きな映画を見たり漫画を読んだりするようにしています。そうすれば、その中で何かインスピレーションが湧くこともあり、そこから新しい何かを生み出すことができるんです。
SNSがファンやクリエイター同士のつながりに
____ファンの方や他クリエイターさんとのつながりはありますか?
SNSを通じてファンと交流しており、YouTubeやインスタグラムでは海外のリスナーさんから反応がみられます。
___そのつながりはどのようにして出来上がりましたか?
そうですね、やはりSNSでのつながりが多いのかもしれません。音楽制作者同士のつながりについてもSNSでつながっており、お互いの楽曲を聞いてコメントし合うなどの交流があります。
____音楽活動を継続できている秘訣やポイントはなんだとお考えですか?
好きなことがあるなら、まずはやってみることが大事だと思っています。とにかく自分が楽しむこと。だから自分の作品ができると思っています。
現在のイメージとは違ったものに挑戦したい
____今の音楽制作の仕事は本業ですか?副業ですか?
そうですね。高校生の頃から始めており、本業として今も活動しています。
____売れ行きの変遷を教えてください。
先にもお話しさせていただきましたが、初めのうちは苦労はしました。でもYouTubeで発信し続けていると、約2年で登録者数1万人を突破することができました。
仕事の範囲で言うと、YouTubeへのミュージックビデオの投稿やファンクラブの活動・イベントでのグッズ販売などをしています。
収益という意味だけでなく、楽曲提供やイベント参加などを含めると活動の幅も広がっていますね。
____今後の展望を教えてください
2023年までは、歌い手やVTuverとコラボする機会を増やしてきました。今年は、まだコラボできていないボーカロイド・プロデューサーとのコラボをしてみたいと思っています。
現在は、リズムゲームのミュージックの公募があったので、応募をしたんですよ。そのリズムゲームの雰囲気は、僕の現在のイメージとは違ったポップでかわいいものなんです。
ダークな部分を突き詰めていきたい一方で、これからも活動の幅も広げていきたいと考えていて、現在のイメージとは違うものにも挑戦していきたいと思っています。
今、興味のあることを楽しんでほしい
____学生時代にクリエイティブ活動をしていたけど、社会人になってから忙しくて遠のいてしまっている方にメッセージをお願いします
先の話と重複する点もあるんですが、興味のあることを楽しむことが大事だと考えています。
______何から始めていいのか悩んでいる方も多いようです。そんな方々に何かアドバイスはありますか?
そうですね、昔から聞いているアーティストや作品のコピーから始めてみるといいと思います。
例えば、ボーカロイドでいえば「ボーカロイドコレクション(ボカコレ)」のみんなで投稿できるランキング企画があるので、それに参加してみることもできます。
小さなことでもいいのでスタートしていくとそのうちに、その先のやりたいことが見えて、徐々にやれることが広がっていくと思っています。
___最後になにか告知されたいことがありましたら、お願いします。
2024年4月27日〜28日に、幕張メッセでニコニコ動画の参加型イベントの「ニコニコ超会議2024」が開催されます。
このイベントの企画である「THE VOC@LOiD 超M@STER55」で、『Sumia×神田洋』として出展しています。
【ニコニコ超会議2024】
開催イベントTHE VOC@LOiD 超M@STER55
- 期間:4月27日(土)10:00-17:00
- 開催場所 幕張メッセ
- 配置: D-17,18
- サークル名:『Sumia×神多 洋』
- ニコニコ超会議2024公式ホームページ:https://chokaigi.jp/
それから、4月20日に新譜を公開します。「MUGSHOT!!-WE ARE THE DARK SIDE-」全6曲。順次公開予定ですので、YouTubeでアルバムの詳細をチェックしてみてくださいね。
____本日は、ありがとうございました。