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Interview

ブレずに伝え続けたハピネスパワーのギャルマインド!兄妹ポップラップユニットのぺろぺろきゃんでーさん

Interview

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ぺろぺろきゃんでーは、兄の SUNNY-PLAY さんと妹の Janet真夢叶 さんからなる大阪出身の兄妹ポップラップユニットです。彼らは「地球のすみっこにいるあなたへ、ギャルマインドをお届け」というコンセプトで音楽活動を展開しています。

ぺろぺろきゃんでー公式サイト:https://lit.link/peroperocandyjp

妹「低音女子」の歌唱とラップ、そして「天才兄者」のトラックメイクによって生み出される楽曲は、TikTokやYouTubeを中心に若者たちから絶大な支持を受けています。

この記事では、ぺろぺろきゃんでーの2人に、音楽活動におけるこれまでの道のり、そして今後の展望について伺いました。(文中ではぺろぺろきゃんでーの略称「ぺろきゃん」を使います)

ギャルマインドという大きなパワーを見出した2人の生い立ち

____活動内容を教えてください。

Janet真夢叶:

私たちは、“ギャルマインド”という内に秘めたるハピネスパワーを、世界のすみっこたちに向けて、歌やSNSを通じて発信しています。

撮影:Koya Yaeshiro

____なぜギャルに注目したのですか。

Janet真夢叶:

ギャルの派手な見た目とかではなく、内面的な部分に注目し、何もかもをポジティブに、そしてハッピーに変える力にときめきを感じました。

私たちにはどこにも馴染めなかった過去があります。そして、誰しもネガティブを持っていることを知っているので、何もかもをハピネスに変えるギャルマインドに大きな力を感じ、多くの人に伝えていきたいと考えています。

____いつからお仕事として音楽活動をされていたのですか?

Janet真夢叶:

ぺろぺろきゃんでーとしては、2021年に「色恋沙汰」をリリースしたことからスタートしました。その前は個々で違う方向の活動をしていたんです。

SUNNY-PLAY:

僕は19歳くらいから、バイトをしながら音源提供をしていました。

もともと歌う側になる気はなく、高校の時から音響の勉強のために音楽を作っていました。音源のミックスを勉強するために、自分で作り始めたことがきっかけです。

最初は音響の勉強をしながら音源提供でお小遣いを稼ごうという、今思えば安直な考えでしたね。でもそこから音楽での仕事の感覚は養われたと思います。

Janet真夢叶:

私がお仕事として音楽活動をスタートしたのは19~20歳のときです。最初は地下アイドルみたいなことをしていました。

学業に追われながら頑張っていたことを思い出します。早朝に起きて大学に通い、帰ってリハして、土日はイベント。1年半くらい、そんな生活でした。

タイミングの合致とTikTokのムーブメントにより2人の音楽がスタート

____どちらから音楽活動を一緒にしようと誘ったのですか?

Janet真夢叶:

兄からです。

お互い個々の活動に区切りがついたちょうどいいタイミングでもあり、お互いの状況もわかっていたことから、実家で顔を合わせたときに、兄が「TikTokやらない?」と誘ってきました。

撮影:Koya Yaeshiro

兄は作詞作曲のお仕事をいただいていたし、私も芸能活動を諦めていなかったから、一緒にやってみようかと兄が提案してきた形です。

SUNNY-PLAY:

もともと妹と一緒にする考えはなかったんですが、タイミング的にちょうどTikTokで「素人ラップ」というものが盛り上がっていて、僕がビートを書いて、妹が表に立てばお互いを引き立てられるんじゃないかという発想のもとでした。

僕は当時、相方のラッパーと一緒に住んでいました。その活動にキリをつけて実家に戻るタイミングでもあったので、妹とコンスタントに動画を出せたらTikTokの波に乗れるんじゃないかと考えたのが、誘うきっかけですね。

____兄妹は昔から仲が良かったのですか?

Janet真夢叶:

兄妹は仲がいいですよ。一緒によく出かけるし、初めてクラブに連れて行ってくれたのもお兄ちゃんでした。

中学高校くらいのときは口をきかない時期もありましたが、大人になるにつれて、距離感もわかり、お互いやっていることにリスペクトが出てきました。だから一緒に音楽ができているのだと思います。

____TikTokを2人で始めたときはお仕事と考えて活動をしていましたか?

Janet真夢叶:

TikTokは自己PRが目的だったのでお仕事という意識はありました。「自分はこういう人間です、どうか拾ってください、デビューさせてください!」みたいな気持ちなので、遊びとは違いますよね。

____2人で音楽を仕事にしていけるという確信はいつ持てましたか?

Janet真夢叶:

2人で始めてから、お兄ちゃんと一緒に音楽の仕事をやるんだという認識は早い段階でありました。

お兄ちゃんは大学卒業した時くらいから音楽で食べていく気があった?

SUNNY-PLAY:

そもそも僕は、音楽で食べていく気があまりなくて、一回始めてみたから2年くらいは様子みようかなくらいのスタンスでした。そんななかTikTokのムーブメントに乗って、妹と一緒にしたら面白いことになるかもしれないねって話してました。

自分で決めた期限の2年のなかで、ぺろきゃんでやるんだと確信が持てたのは最後の1年です。SNSなどの宣伝媒体を有効活用するのはもちろんのこと、作家事務所に応募しまくってました。本当にラストチャンスぐらいの気持ちで応募したところ、1社から連絡があり、ぺろきゃんとして音楽活動がスタートできるようになりました。

小さいころから歌が好き・先生との出会い│ぺろぺろきゃんでーのバックボーン

____いつから音楽が好きでしたか?また、どのような環境が影響しましたか?

Janet真夢叶:

私はものごころついたときから音楽が好きで、聴いたり歌ったりするのが好きでした。

兄は小学校3年からピアノを習っていて、その時からピアノで作曲をしてましたね。

撮影:Koya Yaeshiro

SUNNY-PLAY:

家庭環境を振り返ると音楽一家ではあったかもしれません。父はドラマーで、レコーディングやライブといった”現場”に連れまわされたことで、自然といろんな音楽に触れてましたね。

僕は元々ベースをしたかったけど、なぜかレッスンに行ったらピアノがあったんです(笑)。そこからピアノを始めて、1年目の発表会のために作ったのが初めての作曲でした。

こんな音楽にしたいというインスピレーションから先生と一緒に音符に落としていました。

クラシックの先生って、厳しい方が多いんですが、偶然にも僕の先生は自由でした。先生にメロディを持っていくと「いいじゃん!」って受け入れてくれました。そんな先生との出会いが、作曲を好きになった大きな要因と言ってもいいですね。

撮影:Koya Yaeshiro

Janet真夢叶:

私は小さい頃にクラシックバレエをしていました。音楽も踊るのも好きで、気付いたらヒップホップ、Jポップ、R&Bで踊っていました。中学くらいのときに「歌うのが好き」と思い始めました。 

____小さな頃から好きでしていた音楽と、仕事でアーティストとして音楽をすることにどのような違いはありますか。

SUNNY-PLAY:

ぺろきゃんにおいては“言いたい事”がしっかりとあるので、それを楽曲の中にどう落とし込むかという意識が、趣味の作曲とは違います。

あとは、今みんなが思っていることをどうやったら音源にできるのだろう、と思って作るので、そういう意味では“思いやり”が要ることと、どうすれば相手に響く音楽ができるかといった想像力を駆使して作っていくのが違いです。

趣味では自分が好きなように作ればいいんですけど、対ヒトになると相手のことを慮って書かなきゃいけないので、意識としては違います。

Janet真夢叶:

兄の言うとおりですね。でも楽しいのは変わらないです!

独学でひたすらに進み続けた音楽│譲れない独自のクリエイティビティ

撮影:Koya Yaeshiro

____音楽活動以外にクリエイティブな活動をしていますか?

Janet真夢叶:

アートワークのプロデュースは私が担当しています。大阪でのワンマンライブでは、内装や衣装を作りました。宇宙っぽい空間にしたいから、カベにくらげなどの装飾をしたり、衣装のつなぎだけじゃ物足りないからワッペンを縫い付けたりしました。手先が器用なわけではないのですが、どうしても自分の中のイメージをビジュアルに落とし込みたかったんです。

MVも構成を考えたり絵コンテを作ったりします。ジャケット写真をデザイナーさんに依頼するときは、私の頭の中のイメージを具体的に伝えます。「ぽわ~って感じ」とか擬音語を使うこともあるのですが、私の頭の中を100%に近い粒度で伝えることは大切にしています。

____デビューする前に音楽の勉強や修行をしていた時期はありましたか?

Janet真夢叶:

私は、高校2年生くらいのときに声優の宮野真守さんのライブを生で見て、「歌を歌って生きていきたい」と思ったんです。そこからYouTubeで発声方法などを調べて、地道に情報を得ながら習得していきましたね。

SUNNY-PLAY:

音響に関しては学校で学んでいましたが、作曲のことは、YouTubeとかインターネットを使って検索しながら前に進むことをひたすらやっていました。

ピアノをしていたので音感自体はあって、あとはパソコン内で完結できる技術があれば音源はできるだろうという考えのもと、音響と作曲同時並行でやっていました。

____音楽活動を始めてから今までの大まかな変遷を教えてください。

Janet真夢叶:

ぺろきゃんとして最初にリリースした「色恋沙汰」は自分たちが思っているより多くの人に聴いていただけて、出だしは良かったです。ただ、その後に伸び悩みというか停滞を感じた時期はありました。

私は去年(2023年)の秋くらいまでバイトしてたんです。ぺろきゃんを始めた当初は普通にコールセンターで働いてましたよ(笑)。

でも地道にブレずにぺろきゃんらしい音楽活動を続けることで、少しずつ前に進んでいます。ライブにもたくさん呼ばれるようになりました。去年からしたら考えられないよねとか、最初のお客さん3人だったよねとか、みんなで話しています。

ぺろぺろきゃんでーだからこそ生み出せる”きれいごとじゃないハピネスの表現”

____歌詞やメロディに込める思いやテーマなどがあれば聞かせてください。

Janet真夢叶:

大きなテーマは、“世界のすみっこたちにギャルマインドを!”と、そのまんまです。

撮影:Koya Yaeshiro

「あの子はかわいいのに私はかわいくない」「学校で居場所がない」といったDMをもらう中で、ちょっとでもみんなに寄り添いたいし、みんなが好きな自分で居られる場所を作りたい。ぺろきゃんがその居場所のひとつになれればいいな、っていう想いをもとに音楽を届けています。

____アーティストとして確立できた秘訣やポイントは何だとお考えですか?

Janet真夢叶:

決してネガティブに走らずにポジティブの方に行っているから!それがポイントだと思います。

割と強めな過去がある兄と私なんですがーー例えばミックスだから輪に入れなかったり、石投げられたり、わけもわからずどつかれたりしました。そんな場所にいたけれど、ネガティブを発信せずにそこから得たポジティブをみんなに伝えていくことを大切にしています。私たちだからこそ発信できるギャルマインドがあると思っています。

過去の経験から「自分の何かが悪かったというよりは、いた場所が悪かっただけだよね」っていう考えに行きついて、それをブラさずにみんなに伝えている感じです。

「居場所がない」と困っている人の背中をちょっとでも押せればいいよねという気持ちを持ちながら、ハッピーにするのが私たちの強みかなと思います。

SUNNY-PLAY:

ポジティブとかハッピーの押し売りは好きじゃないんですが、ネガティブはすごいエネルギーがあると思ってて。例えば、一日10個タスクがあって、どっかのタイミングでマイナス(ネガティブ)が1個でも入っちゃうとあとの9個も嫌だったなという気持ちにさせちゃうじゃないですか。それが嫌だから、「ネガティブさえも楽しんじゃえよ!」っていうスタンスで僕は作詞作曲しています。

もしネガティブばかりを感じる人がいるなら、それは場所が合ってないだけだと思ってます。「あんた面白いんだから、こっちきてみーや」「ギャルマインドを持ってこっちにきてみたらどうですか?」。そういう提案をしていきたいという想いが根本にあります。伝えたいことがあり続ける限りはぺろきゃんは続くんじゃないかなと思ってます。

Janet真夢叶:

何も知らない人が言ってもきれいごとになるけれど、割と人が経験しないようなことも経験した私たちだからこそ、誰かにとって寄り添える場所になれたり背中を押せたりする存在になれるかなという気持ちです。

良い作品(曲)を作るためにはバイブスでのつながりを重視したい

____他のアーティストさんとのつながりはありますか?

Janet真夢叶:

私はめっちゃ人見知りなので(笑)。

SUNNY-PLAY:

僕はアーティストさんやダンサーさんとのつながりが多いですね。

撮影:Koya Yaeshiro

____アーティスト同士のつながりは必要ですか?

SUNNY-PLAY:

つながっている人はバイブスの合う人だけです。僕は建前の付き合いは大嫌いでして、利害関係だけで関係値を深められない人間です。

利害関係だけでつながると、悪いことが1つでもあったら目立っちゃうし、嫌になってもその環境にいなければいけない。しぶしぶみたいになるじゃないですか。でもバイブスが合ったら、「あいつアホやけど好きやからな」みたいに許せるんです。

だから僕は、友達の延長線上の方が関係値を深めることができるし、そんな環境で生まれた音楽の方がいいものになると思っています。そういう温度感は多分、聴いてもらう人にも伝わるものだと思います。

基本的に僕はそのスタンスで、別のアーティストや表現者と関係値を保っています。

利害関係を重要視する人を批判するつもりはありません。ただ僕はバイブスでつながった方がいい結果になるのでそうしています。 

ぺろぺろきゃんでーが進んでも伝えたい根本はブラさない

____アーティスト活動をする上で大切にしていることをお聞かせください。

Janet真夢叶:

ブレない意思!それに限ります。

すみっこたちの味方であるというスタンスは絶対に崩さない!

SUNNY-PLAY:

僕も、“ブレない・芯はずらさない”ということを大事にしています。

ギャルマインドを伝えるためではなく、「もっと売れるため」とかだと、ブレてしまいますよね。それだと曲を書いてる意味がなくなってしまうので、とにかく根本をブラさないことを大事にしています。

____今後のご展望を教えてください

Janet真夢叶:

ぺろきゃんが掲げているのは、「絶対に大阪城ホールでワンマンライブしようね」ということです!そこに向かってギャルマインドを布教しまくって、みんなの大きい居場所を確立しようという意気込みです。

撮影:Koya Yaeshiro

ぺろきゃんの音楽を聴いてくれる人を「ロリポス」と呼んでいます。ライブでは、一人で来たけど隣の人はみんな友達!みたいな、みんなにとってひとつの居場所となる空間ができたらどんなに幸せなんだろうって思います。そのために頑張ります。

____音楽活動に興味を持っているけれど、一歩踏み出せない方にメッセージをお願いします。

Janet真夢叶:

新しいことを始めたり、自分が追いかけているものに真剣に取り組んだりすることは、努力も勇気もいることです。でも、動いてみないと何も始まらないし終わりもしない。私が実際そうだったように、仕事や学業をしながらでも音楽はできるし、他のことを捨てなきゃいけないわけじゃありません。

まずは一歩を踏み出して、少しずつ上っていけばいいんじゃないかと思います。 

SUNNY-PLAY:

音楽を作ることはハードルが高いと思うかもしれませんが、やってみるとそんなことはないんです。

料理と同じだと思ってください。何か料理を作ろうするとすると、まずはレシピを調べるじゃないですか。なんならフライパンに油をしいてしまったら作らざるを得ないですよね。「よしやるか!」みたいな感覚でまずはやってみるといいです。やらない理由はいくらでも作れちゃうので、それに飲まれるよりは、とりあえずやってみましょう。壁にかかったギターを持つ、電源を入れてみる、そんな気軽な気持ちでいいです。

スタートしてみないと、自分に合っているかもわかりません。そしてその一歩を踏み出せないのだとしたら、恐らく向いてないです。その一歩目は他に使った方がいいかもしれない。偶然その一歩目のアンテナが音楽に向いているのなら、一歩目を踏み出せばいいだけの話です。

____なにか告知されたいことがありましたら、お願いします。

Janet真夢叶:

4月25日に東京でワンマンライブを開催します!(詳細&チケット購入:https://eplus.jp/ppc/

また、3月31日に「わがままマーメイド」をリリースしました。https://linkco.re/MErQEFr9

みんな頑張りすぎだし、人の空気や感情を読みすぎて、なかなか自己肯定感を上げられないんじゃないかと思います。もっと自分にわがままになる日をつくっていいんだよ、ということを伝えるために作った曲です。

ギャルマインドたっぷりな曲になっているので、ぜひ聴いてください!

____本日はありがとうございました。