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Interview

苦手はテクノロジーに任せて自分の長所を伸ばして欲しい|サウンドクリエイター井谷優太さん

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井谷優太さんは、手足に障がいを持ちながらも音楽活動ができる方法を確立し、シンセサイザーとサンプラーを用いて音楽制作やライブ活動をしているサウンドクリエイターです。

2015年に「障がい者の国際舞台芸術コンクールであるゴールドコンサートでグランプリを受賞しています。

以降、アメリカのシンガーMini Pageさんとのコラボや東京2020パラリンピック開会式に出演するなど、多方面で活動中です。

本記事では、井谷優太さんの活動内容や音楽活動を支える思いなどを伺いました。

幼い頃から興味があった音楽を最大限に生かしたい

____井谷さんの活動内容を教えてください。

現在、音楽制作と役者の活動をしています。音楽活動よりも役者を先に始めていて、役者は今年で11年目です。役者を始めた頃は、まだ趣味で音楽をしている状態でしたが、今は音楽を中心に活動しています。

____いつから音楽制作をされていましたか?

幼いときからゲームや映画が大好きで、その中の音楽に興味を持ったのが、音楽制作を始めたきっかけです。

____最初はシンセサイザーから入られたとのことですが、現在のようなパソコンを使った音楽制作のスタイルになったのはいつ頃からですか?

僕がパソコンを使って本格的に音楽制作をするようになったのは、友人の誕生日会でたまたま出会った作曲家さんとの出会いがきっかけだったんです。

そのときにDTMやボーカロイドの話で盛り上がり、僕が興味を持っていた音楽にも詳しい人だったので、その後もいろいろアドバイスを受けるようになりました。それがちょうど2013年頃です。

_________その頃にはすでに、役者のお仕事をされていたんですか?そのかたわらで音楽をやっていたんですか?

はい。その頃には、もう役者をしていました。役者を始めたのも、もしかしたらそこで自分が音楽を生かせるかも、という思いもあったんです。

とにかく昔から音楽に興味があったので、どちらが先というものでもないかもしれません。常に音楽が身近にありました。

___音楽にどのような思いを込めていらっしゃいますか?

僕自身が得意としている音楽が心地いい音楽なので、僕の音楽で人を癒してあげたいと思っています。多くの方に、僕の音楽を聴きながら眠ってもらえるような音楽を作りたいですね。

外部からの評価が自信につながった

____普段はどういったところで発信や販売をされていますか?

普段は、WebサイトやYouTube・Xなどで活動内容や音楽を発信しています。今は、自分のライブ活動で音楽を発信することもあります。

仕事としては、テレビや舞台の音楽を作ることが多く、最近であれば、CM制作会社のAOI Pro.さんとも仕事をしています。

___出品はいつから始めましたか

2015年に東京国際フォーラムで開催された、音楽コンテストで優勝してからです。

___出品のきっかけはなんですか?

このゴールドコンサートという音楽コンテストは父から出場を勧められたのですが、審査員長が音楽評論家の湯川れい子さんが務める厳正なコンテストで優勝できたことで、一気に自信がついたんですよね。その頃から、音楽を本格的にやろうと思いました。

________音楽を仕事にしていこうと考えたのは、自信がついてからですか?それとも、それ以前から考えていたんですか?

そうですね、周囲の評価は、自信をつけるために大事だと思っています。だから、初めは趣味で始めたことですけど、音楽を仕事にする生き方も選択できたんだと思います。

____音楽活動を中断していた時期はありましたか?

それは今のところありません。僕の場合、音楽制作が仕事なのはもちろんなんですが、それと同時に僕にとって音楽は、おもちゃ箱みたいなものなんです。

だから、仕事のときも仕事じゃないときも、音楽で遊んでいるような感覚なんですよ。

人とのつながりが活動の場を広げてくれた

____イベントやコンテストに出たり呼ばれたりすることがあったとのことですが、ファンの方や他のクリエイターさんとのつながりはありますか?

はい、あります。僕の運が良かったのかもしれないのですが「僕の音楽がいい」という方が、次の仕事につなげてくれたので、どんどん活動の場が広がっていると感じています。

___そのつながりはどのようにしてできましたか?オンライン上の交流はありますか?

オンラインとリアルの付き合いは半分半分です。僕はSNSやオンラインスクールで知り合った方が多いんです。ですので、オンラインでのよくやりとりをしていますね。

____活動を継続できている秘訣やポイントはなんだとお考えですか?

必要以上に周りと比べないことです。音楽活動となると、自分と向き合って取り組むことが多いでしょう。

僕は、もし音楽で一緒にコラボしたいと思う方に出会ったときには、タイミングが合えば、自分からどんどん声をかけてみるようにしています。とにかく、気になった方には、積極的に声をかけているんです。

今までで一番印象に残っているのは、すてきな声を持っているカリフォルニアのシンガーさんをたまたまネットで見つけたときです。

その方のホームページに行くとメールアドレスがあったので、送ってみたら実際にリモートでコラボできたんですよ。

音楽が続けられたのはパソコンで音楽制作をする人のつながりがあったから

___今行っている音楽活動の評価は、最初から受けていましたか?下積みの期間は長かったですか?

音楽を始めた頃、僕はシンセサイザーで演奏したいと思っていました。ですが、まだ使いこなせていない状態でした。

当初、友達がアコースティックギターを弾いていたので、それで何かできないかと思って、地元の知り合いのお店を使って、趣味でライブをしていたんです。

友人はお客さんの反応がいいからカバー曲をしようと言っていたけど、僕は自分の音楽がやりたいと思っていました。

友人とは別に音楽を一緒にやれる人を探していたところ、たまたま僕と同じようにパソコンで音楽制作をする人を見つけて。そこから、自分の音楽を続けられるようになりました。

いろいろと話を聞くんだったら、同じことをやっている人にアドバイスをもらう方がいいと思っています。

やりたいことがあるなら考える前に行動することが大切!

____では、学生時代にクリエイティブ活動をしていたけど、社会人になってから忙しくて遠のいてしまっている方にメッセージをお願いします

やりたいことがあるんだったら、とりあえず何も考えずにやった方がいいと思います。失敗してもいいので、とりあえず好きなことをやってみる。うまく行っても行かなくても、どっちでも自分の学びになると思うからです。

_________まずはやってみてから考えるというのが大事なんですね。井谷さんが「これは経験してよかったな」というエピソードがあれば教えてください。

音楽制作についてのエピソードが思い出せないんですが、自分の得意じゃないことは無理にやらなくてもいいと思っています。

例えば、もし自分の不得意な分野でテクノロジーに頼れる部分があるなら、遠慮せずにテクノロジーをガンガン使えばいい!と僕は思うんです。

テクノロジーで苦手な部分をカバーできれば、自分の長所を輝かせることができる。それが、クリエイティブを続けていく原動力になるんですよ。

もう一つ言っておきたいことは、すでに自分のやってる分野の情報を、アップデートしていくことです。同時に自分自身のアップデートも同時にやっておくことが大事だと思っています。

________自分がアップデートしに行くというのは、例えばどんなことがありますか?

そうですね。例えば、人に会いに行ったり本を読んだりすることも、その一つです。それに、やりたいことを続けていけば、成功することも多くなっていくでしょう。

でも、成功したのは本当にタイミングがよかったに過ぎないので、過去の成功にあまりこだわってはいけないと僕は考えています。

_______苦手はテクノロジーを頼ったらいいよ、というお話でしたが、井谷さんにとってはそれはパソコンですか?

はい、パソコンとゲームです。ゲームがあったからこそ、パソコンに抵抗感がなかったんです。

今でもゲームは好きで、ファイナルファンタジーのリメイクも最近発売されたので、それも楽しみにしています。

今は、バイオハザードやグランツーリスモなど、ゲームのジャンルにこだわりなく、プレイしています。最近なら、VRも楽しみです。

____今後の展望を教えてください。

今後は、ゲーム音楽もやってみたいです。ファイナルファンタジーの壮大な感じやドラゴンクエストの冒険が始まるワクワク感があるので、とても魅力的です。

でも、ある程度テンプレートができてると、僕は思っているんです。だから、それよりもインディーズゲームの方が面白いかな、と感じています。

他にも、ホラーゲームの音楽もやりたいですね。バイオハザードをやっていくうえで、アイデアが生まれてきてるんですが、怖い音楽ってあまり出番がないみたいで。ゲームでなくても、ホラー映画もいいな、と思っています。

今はクリエイターまで行かなくても、僕みたいに音楽をやろうと思ったらわりと簡単にアクセスできるので、そのことをまだ知らない人たちへ届くような発信ができるように意識しています。

自分の音楽を楽しめるようなコミュニティを作ることで、そんな思いを広げていけたらおもしろい世界になるんじゃないか、と思っています。

_______それは音楽制作をする機会やパソコンの使い方を教えてもらう場の提供、あるいはその指導者の育成などですか?

はい。学校や保育所を回って教えられたらいいと考えています。音楽というのは世界共通の言語っていう側面もありますよね。

今、日本でもいろいろ大変なことが起こっているけど、自分の音楽を使って幸せな方向に導いていけたらいいな、と思っています。

この世の中には争いがあるんだけど、みんなが望んでいるのは一人一人が大切にされて、幸せに暮らしているというのが願いのはずだから、そこをもう一度振り返られるようなメッセージを、音楽を通じて発信できたらいいと思っています。そんなメッセージを、ライブのときにも発信しているんです。

 ___最後になにか告知されたいことがありましたら、お願いします

音楽活動の相談があれば、ご連絡いただけると嬉しいです。InstagramXでも発信していますが、ホームページからが一番いいかもしれませんね。

また、僕のファンであり友人である弁護士のつながりで、ある女優さんと知り合いました。その方は、エンターテインメントと福祉をつなげたいと考えており、今その方がオリジナル映画を作ろうと動いています。

そこで、僕に音楽をお願いされていて、もしかしたら役者もやるかもしれないんです。

これまでも、友人や周囲の人のつながりで仕事をすることはありましたが、映画制作は初めてです。

最近では、万博でのファッションショーの音楽を担当することになっています。

____本日は、ありがとうございました。