作詞の基本のやり方とは?テクニックやNG例、ボカロ曲のコツもあわせて解説
「曲に歌詞をのせてみたいけど、どうやって作詞したら良いんだろう」
このように思ったことはありませんか?
作詞は、曲を通じて感情や想いを伝える、魅力的でクリエイティブな活動です。しかし、多くの人が作詞を始める際に、どこから手をつけたら良いか分からないと思うものです。
そこでこの記事では、作詞の基本的な手順や効果的なテクニック、やってはいけない作詞を紹介します。作詞のやり方を知って自分の想いを歌詞にのせてみましょう。
作詞のやり方〜手順に沿って〜
作詞は曲のメッセージを伝える重要な部分です。作詞のプロセスは一見複雑に見えるかもしれませんが、基本的な手順を理解すれば、誰でも創造的な作詞に挑戦できます。以下でその手順を解説していきます。
1.構成を確認する
曲先(曲が先にできていて、その後に作詞をする)の場合、作詞を始める前にまず曲の構成を確認しましょう。
一般的なポップソングの構成は、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、Cメロ、アウトロなどから成り立っています。各パートの長さは文字数に大きく影響するため、構成の把握は重要です。また、その曲のキー・リズム・雰囲気を理解すると、歌詞とメロディがどのように調和するかイメージしやすくなるでしょう。
ちなみに詞先(曲ができていない状態で作詞する)の場合は、曲の構成やメロディがまだできていません。そのため、自分で構成を考えたうえで作詞を進めていきます。
2.テーマを決める
次に、曲のテーマを決めます。テーマは歌詞のコアとなる想いやメッセージであり、歌詞全体の方向性に影響するものです。テーマは実にさまざまで、恋愛・友情・夢・冒険・自己発見など、無数にあります。テーマを決める際には、曲の雰囲気やメロディ、自分が伝えたいメッセージを考慮に入れましょう。
3.実際に歌詞を書いてみる
テーマが決まったら、いよいよ歌詞を書いてみましょう。ここでは自由な発想が重要です。とはいえ、初心者の場合は何から書いて良いのか分からないこともあるでしょう。
そんな時は、5W1Hを踏まえて物語を作っていくと方向性が定まるかもしれません。5W1Hすなわち「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を考えます。「どこで誰と何をしたい」などを設定することで情景が浮かんだり深みが生まれたりするものです。
また、どのように書き出すかは人それぞれですが、最初は完璧を目指さず思いつくままに言葉を紙に書き出してみてください。この段階では、感情や思いを素直に表現することが大切なのです。
4.音に当てはめる
歌詞がある程度形になったら、次はそれをメロディに当てはめる作業です。メロディと歌詞がうまく融合することで、曲全体の印象が大きく変わります。メロディに合わせて、歌詞のリズムやアクセント、韻を調整しましょう。
この段階では、歌詞が自然に口に出せるか、歌いやすいかを確認することも重要です。歌うことを前提に言葉の長さや音の響きを考慮すると、より歌唱性の高い歌詞を作れます。
また、メロディの特定の部分に重要なメッセージやキーワードを配置すると、リスナーの印象に残りやすいものです。サビやクライマックスに強い感情を込めるなど、メロディの流れを最大限に活用しましょう。
作詞のコツ〜役立つテクニック〜
より洗練された作詞をするには、基本的なコツやテクニックを身につけましょう。歌詞に深みを与え、リスナーの記憶に残りやすくなります。以下で1つずつ解説します。
韻を踏む
韻を踏むとは、歌詞の最初や最後の母音を合わせることで、歌詞にリズム感をもたらす効果があります。例えば「夢」という単語であれば、「上」「腕」「故」などは母音が共通するため、韻を踏むのに使えます。
ただし、無理に韻を踏ませようとすると不自然になる場合があるため、バランスを考えて使いましょう。
倒置法を使う
倒置法は、文章の順序を変えて意外性や強調を生み出すテクニックです。通常の語順を変えることで、歌詞に独特のリズムや強い印象をもたらします。たとえば「彼は静かに歩く」を「静かに歩く、彼は」とする、といった具合です。
倒置法を使うと、普通の表現に新鮮さが加わりリスナーの注意を引きつけられます。しかし、このテクニックも過度に使用すると歌詞が不自然になりやすいため、効果的な箇所で適度に使用することが大切です。
リフレインを使う
リフレイン(またはコーラス)は、歌詞の中で繰り返される部分を指します。この技法は、曲の中核となるメッセージや感情を強調するのに非常に効果的で、作詞だけでなく作曲にも有効です。リフレインを使うとリスナーの記憶に残りやすくなり、曲の印象を強く残します。
リフレインを使う際は、サビやBメロなど曲の特定の部分で使用すると良いでしょう。また、リフレインの言葉はシンプルで覚えやすいものが最適です。効果的に使って、曲のテーマを強調し、感情的な共鳴を生み出しましょう。
比喩を使う
比喩とは、物事を他のものに例えて表現することです。比喩を使うと、より強いイメージや感情を表現できます。
例えば、「彼は心が冷たい」をいった一文を「彼の心は氷のように冷たい」と比喩を使って表現するとどう感じられますか?おそらく直接的な言葉よりも強い感情が伝わったはずです。比喩を使うと表現の幅が広がります。ぜひ効果的に使ってみましょう。
初心者がやりがちなNGな作詞
ここからは初心者がやりがちなあまり良くない作詞について解説します。やってはいけない作詞でもあるため、「脱・初心者」に向けてぜひ覚えておきましょう。
字脚を考えていない
作詞はメロディと合わせて1つの楽曲となるため、字脚(発音した時の文字数)を無視した作詞は厳禁です。
字脚を考えていない作詞はメロディに対して文字数が合わず歌いづらくなってしまいます。
息継ぎやリズムにも影響するため、字脚を踏まえて歌詞を書きましょう。
歌うことを考慮されていない
作詞は単に言葉を並べる作業ではありません。
歌詞は歌われることを前提にしているため、歌いやすさに配慮して作詞をしましょう。また、聞き取りやすさも重要です。テーマやメッセージをしっかり伝えるためには、リスナーが聞き取りやすい歌詞にすることも念頭におきましょう。
詰め込みすぎる
初心者は、1つの歌詞に多くの情報や感情を詰め込みすぎる傾向があります。詰め込みすぎた歌詞は、何が言いたいのか分からなくなるものです。
一方、シンプルで分かりやすい歌詞は、リスナーに深く響き記憶に残りやすいメリットがあります。重要なメッセージや感情に焦点を当て、無駄な情報は削ぎ落としましょう。
作詞に関するよくある疑問
ここからは作詞に関する良くある疑問に答えていきます。
なかなか詞が浮かばない時はどうしたらいい?
作詞は自由であるが故に行き詰まるとなかなか進まないものです。しかし、きっかけがあれば途端に進むこともあります。
例えば、あいうえお・数え歌・abcdeなどに当てはめて作詞するという方法もあります。また、ありきたりな言葉しか出てこないなら、類語辞典の使用もおすすめです。同じような意味でも違う単語が出てくるため、言葉選びの良いヒントになりますよ。
作曲と作詞はどっちが先がいい?
作曲と作詞はどちらが先が良いといった決まりはありません。しかし、初心者にとっては作曲が先(曲先)の方が作詞しやすい傾向にはあります。もちろん簡単とまではいえませんが、曲先であれば構成や大体の文字数が決まっているため歌詞を当てはめやすいのです。
一方で、作詞が先(詞先)の場合は曲がない状態のため、メロディを意識した作り方をする必要があります。
作曲のやり方についてはこちらの記事で解説しています。
作詞に役立つアプリはある?
スマホで作詞をするなら、便利なアプリを使うのも良いでしょう。一例として、アプリ「作詞ノート」があります。iPhoneでもAndroidでも使えるアプリです。
作詞はもちろん、作曲をする人に嬉しいコードをメモできる機能が搭載されています。シンプルで使いやすいため、スマホで思い立った時に作詞のアイディアを書き留めたい人は利用してみてはいかがでしょうか?
ボカロ曲の作詞のコツはある?
ボカロ曲でも作詞の方法が特別変わるわけではありません。しかし、ボカロならではの便利な使い方はできます。
歌詞を作る前にボカロに「ららら」などで歌わせて、メロディの文字数をカウントすると良いでしょう。作詞の文字数が決まるため、あとはテーマに合わせた言葉を入れていくと作りやすくなります。
まとめ|作詞の基本をおさえて楽しく作ろう
作詞はクリエイティブなものであるため、多くの人は「自分にはできない」と思いがちです。確かに自由であるが故の難しさはあるものの、手順を踏めば作詞はできます。
また、韻を踏んだり比喩を使ったりといったテクニックを使えば、クオリティも上がるはずです。ぜひ試して、あなたのメッセージを歌詞にのせてみてください。
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