
作詞の基本のやり方とは?テクニックやNG例、ボカロ曲のコツもあわせて解説
「曲に歌詞をのせてみたいけど、どうやって作詞したら良いんだろう」
このように思ったことはありませんか?
作詞は、曲を通じて感情や想いを伝える、魅力的でクリエイティブな活動です。しかし、多くの人が作詞を始める際に、どこから手をつけたら良いか分からないと思うものです。
そこでこの記事では、作詞の基本的な手順や効果的なテクニック、やってはいけない作詞を紹介します。作詞のやり方を知って自分の想いを歌詞にのせてみましょう。
作詞を始める前に:歌詞のテーマとストーリーを整理しよう
作詞をする際、いきなり言葉を並べ始めるのではなく、まずは歌詞にしたい内容を整理することが重要です。歌詞は単なる言葉の組み合わせではなく、感情や情景、メッセージを伝える表現の手段です。そのため、歌詞の基盤となるストーリーやテーマを明確にすることで、より伝わる歌詞を作ることができます。
ここでは、作詞をスムーズに進めるために役立つ、事前に整理しておきたいポイントを紹介します。
1. テーマを決める:何を伝えたいのか?
まず、曲のテーマを決めましょう。テーマは歌詞全体の方向性を決定づけるため、ここを明確にしておくことが重要です。
例として、以下のようなテーマが考えられます。
- 恋愛(片思い、失恋、純愛、大人の恋など)
- 人生の転機(夢、挑戦、挫折、成長)
- 友情・仲間(支え合い、別れ、再会)
- 社会へのメッセージ(環境問題、平和、差別、希望)
テーマが定まると、歌詞の一貫性が生まれ、聴き手の心に響きやすくなります。
2. シチュエーションを決める:いつ・どこでの出来事なのか?
テーマを決めたら、その歌詞がどのようなシチュエーションの中で展開するのかを考えます。シチュエーションが具体的であるほど、リスナーの想像力を刺激し、歌詞の世界観が広がります。
【考えるべきポイント】
- 場所:「都会の雑踏」「静かな田舎道」「夜の海辺」など、歌詞の雰囲気を演出する場所を決める。
- 時間:「朝焼け」「夕暮れ」「深夜」など、時間帯によって歌詞の持つ感情が変わる。
- 登場人物:「主人公一人」「恋人同士」「親子」「友人」など、誰が登場し、どのような関係性なのかを考える。
例えば、「夜の街で一人、過去の恋を思い出す」という設定にすると、切なさや懐かしさを演出しやすくなります。
3. 感情やメッセージを具体化する:どのように表現するのか?
作詞の核となるのは、伝えたい感情やメッセージです。「楽しい」「悲しい」「切ない」といった感情を、どのような表現で伝えるのかを考えましょう。
【具体化のポイント】
- 体験をもとに書く:「実際に感じた感情」「身近な出来事」からインスピレーションを得る。
- 五感を使った表現:「冷たい風が頬をかすめる」「雨の音が心に響く」など、視覚・聴覚・触覚などを使って情景を描写する。
- 対比を活用する:「昨日の笑顔が嘘みたいに消えた」「明るい街の中で心だけが暗い」など、感情のコントラストを使ってインパクトを与える。
このように、作詞を始める前にストーリーや情景を整理しておくことで、スムーズに歌詞を書き進めることができます。
作詞のやり方〜手順に沿って〜
作詞は曲のメッセージを伝える重要な部分です。作詞のプロセスは一見複雑に見えるかもしれませんが、基本的な手順を理解すれば、誰でも創造的な作詞に挑戦できます。以下でその手順を解説していきます。
1.構成を確認する
曲先(曲が先にできていて、その後に作詞をする)の場合、作詞を始める前にまず曲の構成を確認しましょう。
一般的なポップソングの構成は、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、Cメロ、アウトロなどから成り立っています。各パートの長さは文字数に大きく影響するため、構成の把握は重要です。また、その曲のキー・リズム・雰囲気を理解すると、歌詞とメロディがどのように調和するかイメージしやすくなるでしょう。
ちなみに詞先(曲ができていない状態で作詞する)の場合は、曲の構成やメロディがまだできていません。そのため、自分で構成を考えたうえで作詞を進めていきます。
2.テーマを決める
次に、曲のテーマを決めます。テーマは歌詞のコアとなる想いやメッセージであり、歌詞全体の方向性に影響するものです。テーマは実にさまざまで、恋愛・友情・夢・冒険・自己発見など、無数にあります。テーマを決める際には、曲の雰囲気やメロディ、自分が伝えたいメッセージを考慮に入れましょう。
3.実際に歌詞を書いてみる
テーマが決まったら、いよいよ歌詞を書いてみましょう。ここでは自由な発想が重要です。とはいえ、初心者の場合は何から書いて良いのか分からないこともあるでしょう。
そんな時は、5W1Hを踏まえて物語を作っていくと方向性が定まるかもしれません。5W1Hすなわち「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を考えます。「どこで誰と何をしたい」などを設定することで情景が浮かんだり深みが生まれたりするものです。
また、どのように書き出すかは人それぞれですが、最初は完璧を目指さず思いつくままに言葉を紙に書き出してみてください。この段階では、感情や思いを素直に表現することが大切なのです。
4.音に当てはめる
歌詞がある程度形になったら、次はそれをメロディに当てはめる作業です。メロディと歌詞がうまく融合することで、曲全体の印象が大きく変わります。メロディに合わせて、歌詞のリズムやアクセント、韻を調整しましょう。
この段階では、歌詞が自然に口に出せるか、歌いやすいかを確認することも重要です。歌うことを前提に言葉の長さや音の響きを考慮すると、より歌唱性の高い歌詞を作れます。
また、メロディの特定の部分に重要なメッセージやキーワードを配置すると、リスナーの印象に残りやすいものです。サビやクライマックスに強い感情を込めるなど、メロディの流れを最大限に活用しましょう。
作詞のコツ〜役立つテクニック〜
より洗練された作詞をするには、基本的なコツやテクニックを身につけましょう。歌詞に深みを与え、リスナーの記憶に残りやすくなります。以下で1つずつ解説します。
韻を踏む
韻を踏むとは、歌詞の最初や最後の母音を合わせることで、歌詞にリズム感をもたらす効果があります。例えば「夢」という単語であれば、「上」「腕」「故」などは母音が共通するため、韻を踏むのに使えます。
ただし、無理に韻を踏ませようとすると不自然になる場合があるため、バランスを考えて使いましょう。
倒置法を使う
倒置法は、文章の順序を変えて意外性や強調を生み出すテクニックです。通常の語順を変えることで、歌詞に独特のリズムや強い印象をもたらします。たとえば「彼は静かに歩く」を「静かに歩く、彼は」とする、といった具合です。
倒置法を使うと、普通の表現に新鮮さが加わりリスナーの注意を引きつけられます。しかし、このテクニックも過度に使用すると歌詞が不自然になりやすいため、効果的な箇所で適度に使用することが大切です。
リフレインを使う
リフレイン(またはコーラス)は、歌詞の中で繰り返される部分を指します。この技法は、曲の中核となるメッセージや感情を強調するのに非常に効果的で、作詞だけでなく作曲にも有効です。リフレインを使うとリスナーの記憶に残りやすくなり、曲の印象を強く残します。
リフレインを使う際は、サビやBメロなど曲の特定の部分で使用すると良いでしょう。また、リフレインの言葉はシンプルで覚えやすいものが最適です。効果的に使って、曲のテーマを強調し、感情的な共鳴を生み出しましょう。
比喩を使う
比喩とは、物事を他のものに例えて表現することです。比喩を使うと、より強いイメージや感情を表現できます。
例えば、「彼は心が冷たい」をいった一文を「彼の心は氷のように冷たい」と比喩を使って表現するとどう感じられますか?おそらく直接的な言葉よりも強い感情が伝わったはずです。比喩を使うと表現の幅が広がります。ぜひ効果的に使ってみましょう。
作詞に使えるスマホアプリ3選
作詞をサポートするスマホアプリを活用すれば、アイデアの整理や歌詞作成がよりスムーズに進みます。ここでは、初心者からプロまで使える便利なアプリを3つ紹介します。
1. 作詞ノート:歌詞とコードを簡単にメモできる
「作詞ノート」は、作詞のアイデアやコード進行を一括で管理できるアプリです。iPhoneでもAndroidでも使えます。メモ作成機能を活用し、思いついたフレーズや歌詞をすぐに書き留められます。
また、コード入力機能があるため、作曲を並行して行いたい人にも便利です。フォルダ分けやキーワード検索機能も充実しており、過去の歌詞を簡単に見返せます。
データは端末内に保存されるため、プライバシーも確保されますが、バックアップを忘れずに行いましょう。
2. Genius:世界最大級の歌詞データベースでインスピレーションを得る
「Genius」は、170万曲以上の歌詞を収録したアプリで、歌詞の意味や背景を知ることができます。ユーザーが歌詞に注釈を追加できるため、表現の意図を深く理解するのに役立ちます。
また、アーティストとのコラボレーションコンテンツもあり、プロの視点から作詞のインスピレーションを得ることが可能です。マイクを使った楽曲認識機能もあり、流れている曲の歌詞を瞬時に検索できる点も魅力です。
3. GarageBand:作詞・作曲を一括でできる音楽制作アプリ
「GarageBand」は、Appleが提供する無料の音楽制作アプリで、作詞・作曲の両方を手軽に行えます。iPhoneやiPadでバーチャル楽器を演奏しながら歌詞を考えられるため、メロディに合った歌詞を作るのに最適です。
録音機能も備えており、歌詞を口ずさみながらフレーズを調整することができます。さらに、豊富なループやエフェクトを活用すれば、作詞した言葉に合わせた楽曲をその場で作成可能。初心者からプロまで幅広く活用できるアプリです。
ボーカロイドで作詞する手順
ボーカロイドを使って曲を作る際、作詞は非常に重要な工程です。人間が歌う曲とは異なり、ボカロならではの作詞テクニックが求められます。ここでは、ボカロ作詞の基本手順を解説します。
1. テーマを決める:自由度が高いからこそ方向性を明確に
ボーカロイドの作詞では、自由度が高すぎるがゆえに「何を書いたらいいか分からない」という悩みが生まれがちです。そのため、まずは テーマを決めて視点を狭める ことが大切です。
例として、以下のようなテーマが考えられます。
- 日常の出来事(学校、仕事、友達との会話など)
- フィクションの世界観(SF、ファンタジー、魔法、未来都市など)
- 感情表現(孤独、喜び、悲しみ、怒りなど)
- 社会的メッセージ(環境問題、AIと人間、戦争と平和など)
テーマが決まることで、歌詞の内容をスムーズに考えやすくなります。
2. メロディを意識しながら言葉を並べる
ボーカロイドは、はっきりとした発音をするため、メロディに対する言葉の配置が非常に重要です。以下の点に注意しながら作詞を進めましょう。
- 言葉のリズムを意識する:
「音の詰まりすぎ」や「単語が長すぎる」と、歌いづらくなるため、自然なフレーズを意識する。 - 韻を踏んでリズム感を出す:
「青い空 夢の中」「遠い星 煌めいて」のように母音をそろえると、メロディに馴染みやすい。 - 短いフレーズを意識する:
ボカロは長い言葉を一息で歌いづらいため、短めのセンテンスで区切る。
また、ボカロ特有の 「ら行」や「つ」の発音が強く出る問題 にも注意し、必要なら単語を調整しましょう。
3. ボカロに歌わせながら調整する
作詞ができたら、実際にボーカロイドに歌わせてみて、違和感がないか確認します。
- 「ららら」でメロディに合うかチェック:
先に音数を決めておくと、作詞の段階で文字数の調整がしやすい。 - 発音が不自然にならないか確認:
「つ」「ち」などの発音が機械的になりやすいため、滑らかに聞こえるか調声で微調整する。 - 語尾の長さを調整:
ボカロの歌声は途切れがちなので、語尾を伸ばす・ビブラートを入れるなどの工夫をする。
また、実際にボカロが歌った後に「歌いにくそうな部分」や「聞き取りにくい部分」を洗い出し、歌詞を調整していきましょう。
【初心者の注意点】作詞でやってはいけないこと!
ここからは初心者がやりがちなあまり良くない作詞について解説します。やってはいけない作詞でもあるため、「脱・初心者」に向けてぜひ覚えておきましょう。
字脚を考えていない
作詞はメロディと合わせて1つの楽曲となるため、字脚(発音した時の文字数)を無視した作詞は厳禁です。
字脚を考えていない作詞はメロディに対して文字数が合わず歌いづらくなってしまいます。
息継ぎやリズムにも影響するため、字脚を踏まえて歌詞を書きましょう。
歌うことを考慮されていない
作詞は単に言葉を並べる作業ではありません。
歌詞は歌われることを前提にしているため、歌いやすさに配慮して作詞をしましょう。また、聞き取りやすさも重要です。テーマやメッセージをしっかり伝えるためには、リスナーが聞き取りやすい歌詞にすることも念頭におきましょう。
詰め込みすぎる
初心者は、1つの歌詞に多くの情報や感情を詰め込みすぎる傾向があります。詰め込みすぎた歌詞は、何が言いたいのか分からなくなるものです。
一方、シンプルで分かりやすい歌詞は、リスナーに深く響き記憶に残りやすいメリットがあります。重要なメッセージや感情に焦点を当て、無駄な情報は削ぎ落としましょう。
作詞に関するよくある疑問
ここからは作詞に関する良くある疑問に答えていきます。
なかなか詞が浮かばない時はどうしたらいい?
作詞は自由であるが故に行き詰まるとなかなか進まないものです。しかし、きっかけがあれば途端に進むこともあります。
例えば、あいうえお・数え歌・abcdeなどに当てはめて作詞するという方法もあります。また、ありきたりな言葉しか出てこないなら、類語辞典の使用もおすすめです。同じような意味でも違う単語が出てくるため、言葉選びの良いヒントになりますよ。
作曲と作詞はどっちが先がいい?
作曲と作詞はどちらが先が良いといった決まりはありません。しかし、初心者にとっては作曲が先(曲先)の方が作詞しやすい傾向にはあります。もちろん簡単とまではいえませんが、曲先であれば構成や大体の文字数が決まっているため歌詞を当てはめやすいのです。
一方で、作詞が先(詞先)の場合は曲がない状態のため、メロディを意識した作り方をする必要があります。
作曲のやり方についてはこちらの記事で解説しています。
エモい歌詞を書くにはどうすればいい?
「エモい歌詞」とは、聴く人の心に深く響く、感情を揺さぶるような歌詞のことを指します。エモい歌詞を書くには、以下の3つのポイントを意識するとよいでしょう。
- 情景描写を活用する
漠然とした表現ではなく、「冷たい雨が頬を伝う」「赤信号で立ち止まる二人」といった 具体的な情景 を描くことで、リスナーに共感や想像を促します。 - 言葉の余白を作る
全てを説明しすぎず、リスナーが自分の経験と重ね合わせられるようにするのも重要です。例えば、「君の声が遠くなる」だけで、別れや喪失のニュアンスを感じ取れるようにします。 - 心情をストレートに表現する
「大好きだったのに、もう会えない」「痛いほど君が恋しい」といった ストレートな言葉 もエモい歌詞には効果的です。特に シンプルな言葉ほど強く響く ため、難しい表現にこだわる必要はありません。
エモい歌詞を書くコツは、リスナーが自分の感情を投影できるような表現を心がけること です。日々の出来事や自分の気持ちを観察し、言葉に落とし込んでみましょう。
まとめ|作詞の基本をおさえて楽しく作ろう
作詞はクリエイティブなものであるため、多くの人は「自分にはできない」と思いがちです。確かに自由であるが故の難しさはあるものの、手順を踏めば作詞はできます。
また、韻を踏んだり比喩を使ったりといったテクニックを使えば、クオリティも上がるはずです。ぜひ試して、あなたのメッセージを歌詞にのせてみてください。
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