漫画家になるには?5つの方法と仕事内容、必要なスキルなどを解説
「漫画家になるにはどんな方法があるんだろう」「何をしたら良いんだろう」このような疑問はありませんか?
漫画家のようなクリエイティブな仕事は極一部の人しかなれない、と思っている方も多いでしょう。しかし、実際には漫画家になる方法は多種多様で、社会人として働きながら漫画家として活動している人もいるほどです。そこで、この記事では漫画家になる方法や活躍できる場所、必要なスキルなどを解説しました。漫画家として活動したい方はぜひ最後までご覧ください。
漫画家になるにはどうしたら良い?
「漫画家になりたいなら漫画雑誌に作品を投稿するしかない」と思う方もいるかもしれません。しかし、実際には漫画家になるにはいくつかの方法があります。
- 新人賞などに応募する
- 出版社に持ち込みする
- SNSなどに投稿する
- 同人誌を作る
- 専門学校に通う
以下でそれぞれ紹介します。
新人賞などに応募する
漫画家になる方法として最初に思い浮かぶのが「新人賞への応募」でしょう。多くの出版社や漫画雑誌が新人を発掘するために定期的に開催しています。漫画家の卵にとって大きなチャンスであり、雑誌デビューのきっかけにもなりえます。デビューとならなくても賞金が出る場合もあるため、ある程度自信がついたら応募してみると良いでしょう。
賞に応募する際は募集要項をよく読み、それぞれのルールなどをしっかり守ったうえで応募してください。
出版社に持ち込みする
もう1つよく知られている方法は、漫画の出版社への持ち込みです。多くの出版社・編集部では、漫画家志望者の持ち込みを歓迎しており、作品のレビューやアドバイスを受ける機会を提供しています。持ち込みは、漫画家としての技術やアイデアをプロの編集者に評価してもらう絶好のチャンスです。
フィードバックを受けたら真摯に受け止め、改善に活かしましょう。持ち込んだ作品のクオリティが高ければデビューの可能性もあるかもしれませんよ。
SNSなどに投稿する
現代の漫画家志望者にとって、SNSは非常に強力なツールです。X(旧Twitter)・Instagram・Pixivなどのプラットフォームを活用すれば、作品を全世界に公開できます。また、プロの漫画家でなくても、投稿していてバズれば出版社の目に留まる可能性もあります。
SNSで作品を公開する際は、定期的な投稿を心掛け、フォロワーを増やしていくことが重要です。また、ハッシュタグを効果的に使うことで、より拡散されやすくなります。身近なSNSを活用して自分の漫画をたくさんの人に見てもらいましょう。
同人誌を作る
漫画家というと出版社などから自分の漫画を発表するイメージをもたれがちですが、同人誌を作って漫画家として活動している人もいます。
同人誌は自分で漫画を書き・発行・販売するものです。元々コミケなどの即売会・イベントで販売されていましたが、今は書店委託に加えオンラインでも手軽に販売できるようになりました。そのため、社会人として働きながら、同人誌を作ってオンラインで販売している人もいます。
SNS同様に、同人誌も話題になれば出版社の目にとまる可能性があります。同人誌なら二次創作でもOKなど制限があまりないため、始めやすいかもしれませんよ。
専門学校に通う
これまでの方法とは少し変わりますが、専門学校に通いながら漫画家を目指す方法があります。
もちろん学校なので費用はかかりますが、漫画家になるための基本的な画力から漫画制作のテクニック、業界知識まで幅広く学べる点は専門学校ならではのメリットです。さらに、プロの漫画家や講師から直接指導を受けられる場合もあります。
漫画家の仕事内容
そもそも漫画家の仕事内容とは、どこまでを含めるのでしょうか?基本的に多くの漫画家は以下の業務を担当しています。
- テーマを決める
- プロットを作る
- ネームを描く
- 下描きする
- ペン入れや仕上げをする
順を追って解説します。
1.テーマを決める
漫画制作の最初のステップは、テーマの決定です。漫画でどのようなメッセージを伝え、どのような物語を描き出すかを決めます。テーマ決めにあたり、資料を集めたり取材したりすることも少なくありません。
また、プロの漫画家であれば、編集部との打ち合わせも行われます。いずれにせよ、オリジナリティのある魅力的なテーマを決めましょう。
2.プロットを作る
次に、決めたテーマに基づいてプロットを作ります。プロットは物語の大筋をまとめたものです。
いくら良いアイディアが浮かんでも行き当たりばったりで漫画を描き始めると、途中でストーリーが破綻しかねません。
プロットをしっかり作っておくことで一貫性のある物語を作りやすくなり、以降の工程もスムーズになるのです。
プロットの作り方に関しては、下記の記事で解説しています。
3.ネームを描く
プロットが完成したら、次は「ネーム」を描きます。
ネームは漫画ならではの工程で、いわば漫画の設計図になるものです。各ページのコマ割り・セリフ・アタリを描きます。ネームを元に、編集者と共有や打ち合わせをするため、重要な工程なのです。
4.下描きする
ネームの次は下描きです。ネームの絵はアタリ程度しか描いていないので、下描きではさらに詳細を描きます。
アナログならこの段階で原稿用紙に描き始めますが、ペン入れの前段階なので細部(キャラクターの表情やディテールなど)までしっかり描かなくてはいけません。
5.ペン入れや仕上げをする
最後の工程は、ペン入れと仕上げです。
アナログなら、下描きにGペンや丸ペンなどでペン入れをして、効果線・背景・トーン貼りなどで仕上げます。デジタルなら線画をきっちり描いてから、同様の効果や背景などを入れて仕上げます。
漫画家として活躍できる場所
漫画家というと、従来は紙媒体の漫画雑誌(ジャンプ・マガジンなど)に作品が掲載される、というイメージが強くありました。しかし、今は仕事をできる場所も多様化しています。そこで漫画家が活躍できる場所をいくつか紹介します。
電子書籍
デジタル化やスマートフォンの普及が進み、電子書籍市場は活発になっています。
web漫画や縦読み漫画が増えており、デジタルコミックからデビューする人も少なくありません。また、Kindleなどのプラットフォームでは、自費出版する人もいます。
このように電子書籍で漫画家デビューする人、プロデビューしていなくても自費出版で販売する人は増えています。プロアマ問わず広く公開できる場が増えており、紙媒体にこだわらなければ、漫画家になりたい人にとっては魅力的な選択肢といえるでしょう。
SNSの漫画
普段SNSを閲覧していると、広告漫画が多く目に付くのではないでしょうか?このようにX(旧Twitter)やInstagramなどの広告に掲載される漫画を描く人も増えています。
企業の商品やサービスを知ってもらう、購入してもらうために、視覚的に分かりやすい漫画を取り入れる企業は増えています。このようにSNS広告としても漫画の需要は高まっているのです。
パンフレットなどの漫画
「漫画=エンタメ」とイメージされがちですが、公的機関・教育資料・企業のパンフレットなどにも漫画は広く使用されています。
例えば、医療機関や企業の商品のパンフレットに挿入される漫画は、情報を分かりやすく伝える手段として有効です。また、子育て系の漫画をSNSで描いて発信していた人が、育児関連の情報やグッズなどに仕事として漫画を描いているケースもあります。
近年では企業のプロモーションや製品の説明に漫画を使用することも増えており、こういった分野で漫画家として活躍するチャンスも広がっています。
漫画家になるために必要なスキルは?
漫画家になるためには、絵の練習をすれば良いのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし、漫画家になるには、絵はもちろん他にもいくつかのスキルが必要です。以下で紹介します。
画力
漫画家としての基本的なスキルは、何といっても画力です。キャラクターや背景など、漫画作画の核となるのは概ね画力に依存します。
さらに人体の知識は必須です。人体を理解していないとキャラクターの体のバランスや動きがおかしくなってしまいます。関節や筋肉などの理解を深めると、キャラクターを描く際に生かせるはずです。
また、画力とは若干異なるものの、今の時代であれば、デジタルツールも扱えた方が良いでしょう。使いこなせれば作画を効率化できる優れものです。積極的に触れていきましょう。
想像力
漫画家にとって想像力は、独自の世界観や魅力的なキャラクターを生み出す上で不可欠です。読者が物語に引き込まれるような設定やプロットを考え出す能力は、漫画家の重要な資質です。
漫画だけでなく小説などの本を読んだり、舞台・映画・アートなどさまざまなものに触れたりして想像力を養いましょう。
構成力
漫画制作では、物語を面白く伝えるための構成力も求められます。
どんなに物語の良いアイディアがあっても、それだけでは面白くなりません。
起承転結を取り入れたり、感情的な盛り上がりや緊張感のあるシーンを上手く配置したりすることで読者を惹きつける構成を作りましょう。
漫画家に関するよくある疑問
ここからは漫画家志望の方がよく抱く疑問について答えていきます。
漫画家の収入源は?
漫画家の収入源は大別すると「原稿料・印税・その他」の3つです。
- 原稿料:1ページあたり数千円から数万円
- 印税:単行本が売れると8〜10%
- その他:グッズ収入・(アニメ化などの)原作使用料
原稿料だけでは、なかなか生活は厳しいと推測されます。なぜなら仕事場の家賃やアシスタントの給料を支払うとあまり手元に残らないからです。印税が入る単行本を出せるようになると収入アップが期待できます。
漫画を上達させるコツは?
漫画を上達させるには、できるだけ人に見てもらうことが大事です。独学だと忘れがちですが、第三者の目で見てもらってフィードバックをもらえると良いでしょう。編集部への持ち込みもおすすめです。
また、絵が下手な場合でもひたすらデッサンや練習を続けることで、基本的な画力が向上する可能性はあります。また、最後まで描き切るのも重要です。最後まで描いて物語を完結させ、構成力も養いましょう。
デッサンについては下記の記事で解説しています。
アシスタントをすれば漫画家デビューできる?
アシスタントを経験すれば誰でも漫画家デビューできるわけではありません。しかし、目の前でプロの技術を見て吸収するまたとない機会にはなります。また、先生の担当編集者と顔見知りになれる可能性もあるため、技術面以外のメリットがあります。
漫画家のアシスタントに興味がある方は、下記の記事をどうぞ。
まとめ|漫画家になる方法はさまざま
漫画家になる方法は賞への応募だけではありません。現代ならではのプラットフォームを利用すればたくさんの方に見てもらえ、そこからプロとしてデビューできる可能性もあります。
自分が活躍したい場所、したい仕事を考慮して、漫画家になるための一歩を踏み出しましょう。
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