ボカロ曲の作り方や必要なものを初心者向けに解説〜対応するスマホアプリも紹介〜
「ボカロ曲を作ってみたいけど、どうやって作るんだろう」と思ったことはありませんか?
自分で歌えなくても楽曲制作できるボカロは魅力的ですが、いざ作るとなるとハードルが高く感じられるでしょう。実際に、ボカロ曲を作るには多くの工程を必要とします。
そこでこの記事では、ボカロ曲を作るのに必要なものから作り方の手順、投稿する際のポイントなどを解説しました。聴くだけでなく、自分でもボカロ曲を作ってみたいと思う方はぜひ最後までご覧ください。
ボカロ曲を作るのに必要なもの〜初心者向け〜
ボーカロイド音楽、通称「ボカロ」はソフトウェアを使用して、バーチャルな歌手が歌を歌う音楽です。その魅力として、プロでなくても自宅でオリジナル曲を制作・公開できる手軽さがあります。しかしボカロ曲を作るにはいくつか必要なものがあります。
- パソコン
- ボカロエディター+ライブラリー
- 作曲ソフト
- MIDIキーボード
以下でそれぞれ解説します。
パソコン
ボカロ曲を作成するための最も基本的なアイテムがパソコンです。パソコンは作曲・編集・ミックスなど、曲作りのすべての工程で必要となります。
スペックが低いと作曲ソフトなどの動作が遅くなったり止まったりするため、最低限必要な性能(メモリは16GM以上など)を搭載したものが良いでしょう。
ボカロエディター+ライブラリー
ボカロエディターは、バーチャルな歌手に歌わせるためのソフトウェアです。しかし、エディターだけではボカロ曲は作れません。エディターとそれに対応するライブラリーが必要なのです。ライブラリーはいわゆるキャラクターの音声データのことで、初音ミクや巡音ルカなどさまざまなラインナップがあります。
作曲ソフト
ボカロに歌わせるためには、伴奏(オケ)が必須です。その伴奏やメロディの作成に作曲ソフトが必要となります。例えば、CubaseやFL Studio、Ableton Liveなどが有名です。これらのソフトを使って、メロディ・コード・リズムなどを打ち込み、基本的な曲の骨組みを作り上げます。
MIDIキーボード
MIDIキーボードは必須ではありませんが、作曲をより効率的、かつ直感的に行うために役立ちます。キーボードで直接メロディを奏でながら、作曲ソフトにデータを入力できるためです。
特にピアノなどが弾ける人は演奏した音がそのまま入力できるため非常に重宝するでしょう。
ボカロ曲の作り方〜手順に沿って〜
ボカロ曲を作成するには、まずは曲作りの基本的な流れを理解してステップを踏むことが大切です。以下で順を追って解説するため、参考にしてボカロ曲を作ってみましょう。
①曲のジャンル・イメージを決める
最初に、曲のジャンルやイメージを決定します。これは、ボカロ曲の全体的な雰囲気や方向性を定める重要なステップです。
ポップ・ロック・エレクトロニカ・バラードなどジャンルを選び、曲を通して伝えたいテーマをこの段階で考えておくと良いでしょう。
②コード進行を決める
曲のジャンルとイメージが決まったら、次にコード進行を決めます。コード進行は、曲の基盤となるハーモニーを形作る要素です。
作りやすい箇所からでも良いため、曲のイメージに合ったコード進行を選びましょう。初心者であれば、ダイアトニックコードや定番のコード進行を参考に作ると進めやすいかもしれません。
③メロディを作る
コード進行が決まったら、いよいよメロディ(いわゆる歌メロ)を作りましょうす。メロディは、曲の顔でもあり、リスナーが直接感じやすい音の動きといえます。
MIDIキーボードを使用して直感的にメロディを作る方法や、作曲ソフトで1音ずつ丁寧に打ち込む方法など、自分に合った作業方法を選びましょう。
④歌詞を考える
メロディができたら次は歌詞を考えます。作曲だけの制作と異なり、ボカロ曲の醍醐味でもあるのが歌詞です。歌詞は曲のメッセージを表現する大切な要素なので、当初決めた曲のテーマやイメージを踏まえて、感情やストーリーを言葉で表現しましょう。
リズムやメロディに合わせて、言葉の響きやリズムも考慮しながら歌詞を書いていくと、より印象的な曲になります。
⑤作曲ソフトで打ち込む
歌詞が完成したら、次に作曲ソフトで曲を打ち込みます。メロディ・コード進行・リズムなど、全ての要素を作曲ソフトに入力し、曲の基本形を作り上げましょう。
作曲ソフトとしては、前述したCubaseやFL StudioなどのDAW(Digital Audio Workstation)が使用されることが多いです。ソフトならではのさまざまな楽器の音・エフェクトなどを使用して、素敵な伴奏を作りましょう。
⑥ボカロエディターにメロディを入力する
基本形ができたら、ボカロエディターにメロディと歌詞を入力しましょう。この段階でボカロが初めて実際に歌う形になります。
メロディラインに沿って歌詞を入力し、発音・音程・音の長さなどを細かく調整して、自然な歌い方に仕上げていきましょう。
⑦ミックスとマスタリングをする
ボカロエディターでの調整が終わったら、最後の工程としてミックスとマスタリングをしましょう。
- ミックス:各音源の音量のバランス調整をしたり、エフェクトをかける
- マスタリング:全体の音量を調整して曲全体を均整の取れた音に仕上げる
ここまで行えば、曲が完成品としてひとつの形になります。
ボカロ曲ができるまで、実に多くの工程を要することが分かりました。自分のオリジナルボカロ曲が出来上がったら、ぜひ公開して多くの人に聞いてもらいましょう。
ボカロ曲を投稿する際のポイント
ボカロ曲を作成したら、ぜひ曲を世界に公開してみましょう。曲を公開することで、他の人に自分の音楽を聴いてもらい、フィードバックをもらえます。
投稿・公開する際には押さえておきたいポイントがあるため、ぜひ参考にしてください。
クレジット表記を忘れない
曲を公開する際には、使用したボカロエディターやライブラリー、作曲ソフトなどのクレジット表記を忘れずに行いましょう。ちなみに、ボカロ曲を公開する際にクレジット表記が必要かどうかは、使用しているボカロエディターや音声ライブラリー、音楽ソフトウェアなどの利用規約に依存します。
具体的には、初音ミクや他のボーカロイドキャラクターの音声ライブラリーを使用する場合、その製品の公式サイトや取扱説明書に記載されている利用規約を参照する必要があります。
一例として、CRYPTON FUTURE MEDIA, INC.が提供している初音ミクの利用ポリシーがあります。このポリシーでは、クレジットの表記方法や利用範囲、制限などが詳細に記述されています。
このような公式のリソースを参照し、自身が制作・公開するボカロ曲に適したクレジット表記をしましょう。利用規約は各製品、各キャラクターによって異なる可能性があるため、必ず事前に確認することが大切です。
適切なタグを記載する
曲をオンラインで公開する際には、適切なタグを記載することが大切です。
例えば、「ボカロ」「初音ミク」「ロック」など、曲の内容や特徴に合わせて様々なタグがあります。タグを活用すれば、音楽が特定のジャンルやテーマに関連付けられ、リスナーにより効果的に届けられます。あなたの曲が見つかりやすくなるように、効果的なタグをつけましょう。
ボカロ曲や曲作りに関するよくある疑問
ここからはボカロ曲の制作に関するよくある疑問に答えていきます。
作曲がうまくいかない
ボカロ曲を作りたいけど、そもそもの作曲がうまくいかないこともあるでしょう。前述した「ボカロ曲の作り方」では、コード進行を決めてからメロディを作ると解説しましたが、難しければメロディから作っても構いません。作曲自体はコードから作ってもメロディから作っても良いため、自分の作りやすい方法を選びましょう。
また、メロディはふと口ずさんだ時に思い浮かんだりすることがあるものです。その都度、できるだけ録音やメモをして忘れないように工夫してみましょう。
作曲のやり方については、こちらの記事で解説しています。
歌詞を書くコツはある?
ボカロ曲に必須の歌詞ですが、なかなか言葉が思い浮かばない時もあるでしょう。
そんな時はボカロ曲を作るとき最初に決めた「曲のイメージ」を思い描いて言葉に落とし込むことをおすすめします。それでもなかなか言葉が浮かばないなら、連想法を使うと良いかもしれません。
また、曲のテーマや世界観も大事ですが、慣れてきたらリズム感を意識して言葉を選んだり、言葉の響きなどを考えたりしてみましょう。より魅力的な歌詞になるはずです。
スマホでボカロ曲作りは難しい?
スマホでもボカロ曲作りは可能です。パソコンに比べるとやや使いづらさはあるかもしれませんが、近年ではスマホ向けの作曲アプリやボカロエディタアプリが充実しており、より手軽に音楽制作を楽しめます。
具体的には、ヤマハからアプリ「Mobile VOCALOID Editor」がリリースされており、iPhoneやiPadで利用可能です。Androidは2023年10月時点では対応していません。
現時点でAndroidで利用できるアプリは「Paint Voice」です。厳密にはボカロ(VOCALOID)とは異なる歌声合成技術ですが、初心者にも使いやすい無料の作曲・人工歌声アプリです。
まとめ|ボカロ曲を作って多くの人に聴いてもらおう
自分で楽器が弾けなくても、歌えなくても、ボカロ曲であれば楽曲を制作できるのが最大の魅力です。
ボカロ曲を作るにはパソコンや専用のソフトなどが必要なほか、作曲・作詞・マスタリングなどの工程をこなす必要があります。
1曲を仕上げるまでに多くの工程を要するため、初めのうちは難しいと感じるかもしれません。しかし、ツールに慣れることで徐々にスムーズに作れるはずです。
作曲や作詞の工程も楽しみながら、ボカロ曲制作をエンジョイしましょう。
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