【初心者向け】3D映像(アニメーション)の作り方 | 制作時のポイントや無料作成ソフトを紹介
動画コンテンツの需要拡大にともない、3D映像の制作に興味をもつ方が増えています。YouTube動画や商品紹介動画などで3D映像を活用すれば、ダイナミックかつ美しいグラフィック映像で、魅力をより伝えやすくなります。
また3D映像制作ができるようになれば、キャリアアップ転職や独立など、動画クリエイターとして安定した収入を得ることも可能です。
とはいえ、3D映像は従来の2D映像と作り方が異なるため「興味はあるけど難しそう…」「挑戦したいけど、具体的にどうやって作るの?」と悩む方も多いでしょう。
そこで当記事では、3D映像(アニメーション)の作り方を解説します。制作時のポイントや無料作成ソフトも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!
3D映像(アニメーション)制作に必要なもの
3D映像(アニメーション)を制作するには、最低限の知識やスキル、ツールなどが必要です。事前に準備しておくことで、スムーズに映像制作を進められます。
必要な知識・スキル
3D映像を制作するために必要な知識・スキルは、初級者か中級レベル以上か否かで異なります。
初心者は、立体映像を制作するための想像力、物事を立体的に考える力、PC操作スキルなどがあれば問題ありません。細かなスキルは、3D映像制作の実践を重ねることで身につけられます。
一方、3D映像クリエイターとして安定収入を目指す(中級〜上級者レベル)なら、モデリングやマテリアルなど、パート別で求められるスキルが複数あります。
とはいえ、まずは「立体物のデッサン」「PC・3D作成ソフトの操作スキル」など最低限の知識やスキルを身につけることが大切です。
用意しておくべきもの
3D映像(アニメーション)制作をおこなうには、PC・3D作成ソフト・教本の用意が必要です。
最適なPCのスペックは「作業内容でなにを重視するのか」によって異なりますが、初心者は以下の条件を満たすものを選んでみてください。
- CPU:Core i7-11700 / Ryzen 7 3700X
- メモリ:16GB
- GPU:Geforce GTX 1660 以上
- HDD容量:1TB HDD / 512GB SSD
作成ソフトは無料版・有料版があります。プロ仕様のアニメーション制作には有料版が最適ですが、初心者は無料版でも十分です。
3D映像(アニメーション)の作り方
3D映像(アニメーション)の作り方を紹介していきます。各工程でよく使われる用語についても解説するので、初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
コンセプトデザイン・三面図を作成する
3D映像(アニメーション)を作るためには、まずは「どんなキャラクターや風景を使用するのか」を決めておく必要があります。
また、考えたイメージをもとに三面図を作成しておくと、次のステップ以降の作業をスムーズに進められます。
三面図とは、物体を正面・横・上から見た3面で表現した図のことです。3Dモデルの設計図・下絵となります。
ただし、三面図はあくまでも各視点からみた平面を描くため、奥行きなどの立体表現は必要ありません。
モデリングを行う
どのようなキャラクターを制作するのかが決まったら、三面図をもとにモデリングをおこないます。モデリングとは、3Dモデルとなる立体物を作っていく作業のことです。
モデリングの方法は、主に以下2つがあります。
- ポリゴンモデリング:ポリゴンと呼ばれる小さな三角形や四角形を組み合わせていく
- スカルプティング:粘土をこねるような感覚で3Dモデルを制作する
スカルプティングはより細やかな造形が可能ですが、初心者には難易度が高いです。
初心者の間は「ポリゴンモデリング」を用いて、ポリゴン数を少なめにしておこなうのがおすすめです。
マテリアル・テクスチャを設定する
モデリングによって立体物の骨組みができたら、次はマテリアル・テクスチャを設定します。立体物に色・質感・凹凸・透過率調整などをつけていく重要な工程です。
マテリアルとは、立体物の質感を表現するための作業のことを指します。例えば、木製チェストを3Dモデルで表現する場合、木目や木の質感、ツヤなどをマテリアルで表現していきます。
一方、テクスチャとは簡単に述べると「立体物に模様をつける」作業です。画像やPhotoshopで描いた模様・絵を貼り付けて「木製チェストの側面に施されている模様」を表現します。
この工程により、単なる立体物だったものが、美しい、かつリアリティのある3Dモデルに変貌します。
スキニング・リギングを行う
続いては、スキリングやリギングをおこないます。両者には細かな違いがありますが、簡単に述べると、どちらも「立体物の動き」を設定する作業です。
例えば、人間は歩く際に両腕を振りながら一歩ずつ進みます。本来であれば「腕の動きに合わせて足を動かす」という1つひとつの作業を設定しなければいけません。
しかし、スキリングやリギングを設定しておくと「歩くときは両腕を振りながら足も動く」という動作を自動化できます。アニメーションになる重要な工程といえるでしょう。
レンダリング(出力)する
3D映像(アニメーション)を作ったら、最後はレンダリングします。レンダリングとは、3Dデータのファイルを静止画や映像に書き出す(出力)作業です。
レンダリングを一気におこなうと時間がかかります。ハイスペックなPCを使う、または作業の途中で都度簡易レンダリング・微調整をしながら進めることで、スムーズにおこなえます。
3D映像(アニメーション)を制作する際のポイント
3D映像(アニメーション)を制作する際のポイントを紹介します。以下を押さえておけば、挫折を回避しながら、クオリティの高い3D映像を作れるようになるでしょう。
スケジュールを組み、都度確認しながら作業を進める
3D映像(アニメーション)制作のポイントは、スケジュールを組んで都度確認しながら作業を進めることです。事前にスケジュールを組んでおくことで、無駄な作業を省略できます。
また、映像として動きがある状態で書き出す※場合は、一気にレンダリングすると膨大な時間がかかります。
※編集したデータを、動画ファイルやオーディオファイルなどのファイルに変更して保存すること
そのため、都度確認しながらレンダリング・微調整を進めるのがおすすめです。
自分に合った教材・作成ソフトを使用する
初心者が3D映像制作にチャレンジするなら、自分に合った教材・作成ソフトを使用しましょう。
書籍やノウハウ系のコンテンツはレベルがさまざまです。初心者は「初心者向けのコンテンツ」を用意することで、置いていかれずに制作を進められます。
作成ソフトは有料版の方が優れた性能をもっていますが、その分費用もかかります。初心者が導入するのはハードルが高いかもしれません。
無料ソフトでも優良なものが存在するので、まずは無料版ではじめてみて、満足できなくなったタイミングで有料版を導入するのがよいでしょう。
人の表情や動き、プロのクリエイターが制作した作品を観察する
3D映像(アニメーション)を制作するなら、普段から周囲を意識して観察しておくのがおすすめです。
例えば「人の関節はどのように動くのか」「風にゆられた葉はどのように地面に落ちるのか」など、動きを意識することで、リアリティのある映像を制作できるようになります。
無料で使える!3D映像(アニメーション)のおすすめ作成ソフト
3D映像(アニメーション)制作に欠かせない作成ソフト。無料で使えるものも多くリリースされていますが、どれを使用するべきかは、個人によって異なります。
無料作成ソフトを選ぶ際は「自身が制作したい映像作品にはどのような機能が必要かどうか」を軸にするのがよいでしょう。
以下で紹介するのは、初心者でも比較的扱いやすい作成ソフトばかりです。操作に慣れつつ「自分に合った作成ソフト」を探してみてください。
Blender(ブレンダー)
Blender(ブレンダー)は、有料版並みの性能を誇る3D映像作成ソフトです。モデリングやアニメーション、レンダリングなど、3D映像制作に必要な機能を完備しています。
プロ仕様のクオリティの3D映像を制作できるだけあって、やや操作は難しいですが、初心者向けの操作マニュアル(コンテンツ)も多く存在します。
使いこなせればコスパ抜群なので「3D映像制作で収入を得られるレベルにチャレンジしたい!」という方に最適です。
Tinkercad(ティンカーキャド)
Tinkercad(ティンカーキャド)は、インストール不要で使える無料のブラウザ作成ソフトです(アカウント登録必要)。
3D映像制作に欠かせない機能だけが備わったシンプルな仕様で、デザインやCADの知識・経験がない方でも、簡単に扱えます。
スクリプト(簡易的なプログラミング言語)によるモデリングができるほか、STL・SVGファイルの読み込みも可能です。
とはいえ、3D映像制作に慣れてくると、Tinkercadだけでは物足りなくなるかもしれません。物足りなく感じてきたら「初心者卒業」といえるでしょう。
DOGA L-1(ドーガ)
「3D映像に挑戦したいけど、とにかく難しいことが苦手」といった不安を抱いている方には、DOGA L-1(ドーガ)がおすすめです。
初心者向けに開発された学習ソフトのようなツールであり、シンプルな仕様、かつプラモデルを組み立てるように3Dモデルを制作できます。
「本格的な3D映像がつくれる」というものではないですが、3D映像に慣れる・理解を深めるといった段階に最適です。DOGA(ドーガ)はシリーズで、「DOGA L-2」「DOGA L-3」とモデルチェンジすることもできます(2、3は有料)。
2D映像を3D映像に編集する方法は?
先ほどは「モデリングやマテリアルによってイチから3Dモデルを制作する方法」を紹介しましたが、2D映像を3D映像に編集するという手法もあります。
簡単に述べると、2本の映像を撮影して編集ソフトで3D映像を作成する、というものです。
具体的には、まず2台のビデオカメラで「右目用」「左目用」の映像をそれぞれ撮影します。撮影後、2本の映像を同期させて、3D動画作成用の編集ソフトで加工するだけです。
iPhone用の編集アプリもあるので、ビデオカメラやPCなどは必須なものの、初心者でも比較的簡単に3D映像を制作できます。3D映像への変換ツールを使えばより簡単です。
3D映像クリエイターとして収入獲得を目指す方法
3D映像制作に慣れてくると「スキルを活かして収入獲得を目指したい」と考えるかもしれません。実際に、映像制作のスキルを活かして安定収入を得ているクリエイターは多くいます。
3D映像クリエイターとして収入獲得を目指す方法は以下のとおりです。
- 案件や求人に応募する
- 実装したWebサイトをもとにポートフォリオを作成して発信する
- クリエイター向けのプラットフォームを活用する
転職をするなら、求人サイトやエージェントを活用するのがおすすめです。
一方、副業やフリーランスの場合は、クラウドソーシングサイトを活用したり、ポートフォリオを作成してSNSで発信したりすると、効率的に案件獲得を目指せます。
また、クリエイター同士での情報交換やクライアントとの出会いの幅を広げるために、クリエイター向けプラットフォームを利用するのもおすすめです。
3D映像(アニメーション)の作り方を押さえてクオリティアップを目指そう!
3D映像(アニメーション)の作り方は、意外とシンプルな手順でおこないます。はじめのうちは各工程で難しさを感じるかもしれませんが、3Dモデルの質感や動きを意識することで、初心者でもクオリティの高い3D映像を制作できるでしょう。
また、3D映像制作に慣れてくると「仕事にしたい」と考えるかもしれません。案件獲得の方法は複数ありますが、クリエイター向けのプラットフォームを活用すれば、より効率的に活躍への道を開けます。
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