小説の書き方〜初心者でも書ける手順・コツ・ルールなどを解説〜
「小説を読むのも好きだし書いてみたいけど、初心者でも書けるかな?」と思ったことはありませんか?
オリジナルの小説は人物や世界観の設定などするべきことも多く、初心者には無理だと思う方も少なくないでしょう。
しかし、小説の書き方にはある程度の型があります。そこでこの記事では、初心者が小説を書くために知っておきたい手順やコツを解説しました。これから小説を書いてみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
小説は初心者でも書ける?
初心者でもコツや流れをおさえれば、小説は書けます。
ただし、挫折する可能性が高くなるため、いきなり長編の大作を書くのは止めましょう。最初は短編や掌編(短編よりもさらに短いもの)から書くことをおすすめします。
また、二次創作であればさほど重要ではありませんが、同人小説でも一次創作であれば、ジャンル・ターゲット・テーマをしっかり決めておきましょう。
特にテーマは小説の核となる部分です。何を伝えたいのかを明確にするためにも、ぼんやりとしたまま書き始めてはいけません。また、せっかく小説を書こうと思うなら、浮かんだアイディアはできるだけこまめに書き残しておきましょう。アイディアノートを作り、思いついたものを新鮮なうちに書き留めることで物語や設定に活かせるかもしれません。
小説の書き方〜書く前に準備しよう〜
いくら構想があるからといって、小説をいきなり書き出すのはおすすめしません。書く前の準備を入念にすることで、小説の内容や方向性が明確になり書きやすくなるのです。そのため書く前に、以下の2つを詳細に決めておきましょう。
登場人物を決める
小説の魅力は、ストーリー展開にありますが、それを左右するのが登場人物の感情や行動です。読者は、登場人物に感情移入したり、共感したり、反感したりしながら物語を楽しみます。
まずは、どんな人物を物語に登場させるかを洗い出しましょう。そのうえで、その人物の設定を考えて掘り下げていく作業が必要となります。
例えば、以下のようなことを考えてみましょう。
- 主要な人物の立ち位置(主人公・仲間・ライバル・黒幕など)
- 人物の性別・年齢・職業・外見・性格など
- 主人公の目的(小説のテーマやメッセージと関連させる)
登場人物を決めたら、設定を掘り下げていきましょう。設定を掘り下げることで、登場人物がより魅力的に、個性的になるはずです。例えば以下のようなことを考えると良いかもしれません。
- 好きなものや嫌いなもの
- 得意なことや苦手なこと
- 日常的にすることやしないこと
- 言葉遣い・口癖・仕草
可能であれば登場人物の履歴書を作ると、成長や変化、動機や信念の根拠に説得力が増します。過去や背景を設定することで、よりリアルに、言動にも一貫性がでやすくなるでしょう。
このように登場人物の設定は物語を進める上で欠かせません。後からぶれないように最初に詰めて考えておきましょう。
世界観を設定する
小説を書く前段階として、人物たちが活動する舞台や世界観の設定も重要です。どのような世界観かにより、小説の雰囲気やテイストにも影響を与えます。
世界観を設定するときには、以下のようなことを考えてみましょう。
- ジャンル:ファンタジー・SF・ミステリー・恋愛など
- 時代:現代・過去・未来など
- 場所:日本・海外・架空の国など
- 季節や時間:春・夏・秋・冬・朝・昼・夜など
- 社会や文化:法律・政治・宗教・習慣・風俗など
- 特殊な設定:魔法・超能力・異世界・タイムトラベルなど
例えばファンタジーであれば、現実の世界と歴史も異なるかもしれません。そのため、後から矛盾が起こらないように、その世界ならではの社会・出来事・法律なども決めておきましょう。
世界観を設定することで、小説に独自性や魅力が出るのはいうまでもありません。反対に設定の詰めが甘いと、人物の言動に説得力がなくなります。人物も世界観も、最初に詳細を決めておきましょう。
小説の書き方〜書き始める〜
人物や世界観の設定ができたらいよいよ書き始めましょう。小説を書く時はまずプロットを書いてから本文を書き始めます。以下で順を追って解説します。
プロットを書く
プロットとは、小説の骨組みとなるストーリーの概要です。あらすじは”読者”に小説の概要を伝えるものですが、プロットは”著者”が小説を書く上での設計図となります。
プロットを書くことで、物語の流れや登場人物の動き、重要なシーンや伏線などを可視化できるため、いきなり本文を書かずにまずはプロットをしっかり書きましょう。プロットを書く方法は人それぞれですが、一般的には以下のような方法があります。
- ストーリーの要所要所を箇条書きする
- 起承転結に分けて簡単に概要を書く
- 細かく章に分けて概要を書く
ざっくりの骨組みで書く人もいれば、かなり細かくストーリーを分割して書く人までさまざまです。著者のタイプや作品によっても異なるため、どれが正解というものもありません。
しかし、プロットを作っておくことで、物語の整合性を保て、執筆速度も上げられるメリットがあります。これから小説を書くなら、ぜひプロットは書きましょう。
本文を執筆する
プロットができたら、いよいよ本文を執筆しましょう。本文は、プロットに沿って各章や各シーンを書いていきますが、まずは視点を決める必要があります。
視点とは「物語をどの目線で見ているか」を表すものです。語り手が誰なのかにより、一人称・二人称・三人称に分かれるため、地の文の書き方に直結します。
視点 | 書き方 | 特徴 |
一人称 | 「私は」
「僕は」 |
|
二人称 | 相手に語りかけるスタイル |
|
三人称 | 「〇〇(名前)は」
「彼は」 「彼女は」 |
|
初心者であれば、三人称の視点で書くと制約が少なく書きやすいでしょう。
視点が決まったら、あとは設定とプロットを踏まえて書き始めます。執筆の際は、一文を簡潔にすると、文章のねじれもなくなり、読者にとっても読みやすくなります。
推敲する
本文が完成したら、推敲します。推敲とは、文章を読み直して、誤字や脱字、文法や表現などを修正することです。推敲することで、文章の質や完成度を高められます。推敲する際には、設定が一貫しているか、物語に矛盾が生じていないか、テーマが反映されているかを念頭に置いて読み返しましょう。
小説の書き方に関するよくある質問
ここからは、小説を書く際によくある疑問について答えていきます。
小説を書くにあたってルールはある?
小説を書く際の基本的なルールは以下の通りです。
- 段落を空ける時は1マス開ける
- カギ括弧の中にさらにカギ括弧を入れるなら二重括弧にする
- 感嘆符(!)や疑問符(?)の次は1マス開ける
- 3点リーダー(…)やダッシュ(ー)は偶数で並べて使う
- 縦書きなら数字は原則として漢数字を使う
非常に初歩的なものも含みますが、最低限守るべきルールを守って執筆しましょう。
NGな小説とは?
考証ができていない小説は、いくらフィクションといえどNGです。
ある時代を舞台に設定するなら、その時期の時代考証は欠かせません。当時の文化・ものの呼び方など、事実に基づいていなければ、知識のある読者は興醒めしてしまいます。
時代だけでなく、特定の業界を扱う際は専門知識を十分に調査・理解したうえで執筆しましょう。
小説を書き上げるコツは?
特に初心者の場合、小説を書き上げるだけでも非常に難しいものです。
設定が完成していなければ、メインの登場人物を絞ることで比較的書きやすくなる傾向はあります。あまりに人物が少ないと物語が単調にはなる可能性はありますが、1つの方法としておすすめです。
また、途中で書けなくなってしまうのも珍しいことではありません。そんな時は書ける部分からどんどん書き進めていきましょう。まずは「最後まで書く」という経験をすることが大切です。
小説を書くのに便利なアプリはある?
せっかく小説を書くなら、便利なアプリを活用したいものですよね。
縦書きできるツールなら、無料の「TATEditor」や有料の「秀丸エディタ(無料お試し利用可能)」などがあります。多くのツールはパソコンとスマホで同期できるため、出先で時間ができた時でも執筆が可能です。色々使ってみて、自分に合うツールを探してみましょう。
まとめ|書き方を意識して小説を書き上げよう
小説は書き方をおさえれば、初心者でも書くことは可能です。
ただし、最初は短編や掌編にしておく、主要な人物数は絞るなどのコツはおさえておくと良いでしょう。
何より初心者こそ、「最後まで書き上げる」という経験を積むべきです。まずは1作書き上げれば自信につながります。
楽しんで作品を執筆するためにも、最後まで書き切って読者からのフィードバックを得て、更なるクオリティの向上に努めましょう。
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