VTuberの作り方〜個人勢が揃えるべき機材やアバターの作り方を解説〜
「VTuberのアバターってどうやって作って動かすんだろう」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。
VTuberのアバターはモデルのイラスト作成からモデリング、トラッキングと多数の工程を経て動いています。この記事では、そんなVTuberの作り方や動かし方、必要な機材やソフトを解説しています。VTuberとして配信してみたい方はぜひ参考にしてくださいね。
VTuberを作るなら2Dと3Dのどっちがいい?違いは?
VTuberのアバターは2Dと3Dの2種類に分けられます。有名なVTuberを見ると3Dで活動している人が多い印象を受けるかもしれません。
しかし、だからと言って3Dの方が優れているとは一概に言えないものです。最大の違いは立体表現の可否にありますが、そのほかメリットとデメリットがあるため、自分にあった方を選びましょう。以下で、それぞれの特徴を解説します。
2Dのメリット
VTuberを2Dで作るメリットは動かしやすく、安価に作れる点にあります。2Dだと動きが限られるうえ、ほぼ平面の表現に限られてしまいますが、正面からのアングルメインで活動するなら特に問題ありません。
2Dのデメリット
2DのVTuberのモデルは作りやすいものの、動きの自由度が少なく表現に限界がある点は否定できません。真横や後ろを向く、大きく手足や体を動かすといった立体表現は困難です。トークやゲーム実況メインならさほど問題ありませんが、動きのバリエーションが多い配信には不向きでしょう。
3Dのメリット
3DのVTuberの1番のメリットは自然な立体表現にあります。手足の豊かな表現はもちろん、機材が揃えばダンスもできるほどです。
また、VRにも対応できるため、VR空間でも動けます。幅広く活動したい人に向いているでしょう。
3Dのデメリット
3DのVTuberのモデルは動きの表現の自由度が高い一方で、イチから作るのが難しい点がデメリットといえます。また、オリジナルモデルを作るのでも購入するのでも費用が2Dと比べると高額になりがちです。
また活動上、実際に動く際に広いスペースが必要になります。モーションキャプチャーを使って大きな動きをアバターに反映できますが、十分なスペースが確保できないと難しいでしょう。
VTuberを作る際に必要な機材・ソフト
VTuberを作るなら機材やソフトを揃える必要があります。モデルをイチから自分で制作する場合だけでなく、活動するうえで欠かせない動画編集にも機材とソフトが必要です。
PC
スマホでVTuberとして活動もできますが、基本的にPCは必需品です。モデル制作・配信・動画編集などに欠かせません。
また、新たにPCを用意するならスペックにこだわりましょう。動画編集やモデル制作ではある程度のスペックを満たしていないとスムーズに進められません。最低限は以下のスペックを搭載したPCを使ってください。
- CPU:Core i5-11500(できればCore i7-11700以上)
- GPU:GTX 1660 SUPER(できればRTX 3070以上)
- メモリ:16GB(できれば32GB以上)
もちろん、配信内容により必要なスペックは異なります。ゲーム実況やモデル制作をするならより高いスペックを求めた方が良いでしょう。
webカメラ・マイク
VTuberの特徴でもあるキャラクターの動きに必要なハードがwebカメラです。ノートPCは内臓されている製品がほとんどなので、わざわざ購入しなくても構いません。ただし、内蔵タイプはカメラの位置がほぼ固定になってしまいます。動きの大きい動画を制作するなら、別途webカメラを購入する方が良いでしょう。また、デスクトップPCの場合も別途用意が必要です。
マイクも内臓のものでも配信は可能ですが、音質はあまり良くありません。VTuberとして活動していきたいなら、ぜひマイクは良いものを購入しましょう。コンデンサーマイクは幅広い周波数を拾えるうえ高音質なのでおすすめですよ。
VR機材
3Dのアバターを使うならVR機材があると、全身を動かしたりより細かい動きを反映したりできて楽しめます。
VR機材といっても色々ありますが、VTuberとして使用するならHMD(ヘッドマウントディスプレイ:頭部に装着するタイプ)が最適です。配信内容によっては、ぜひ導入してみてください。
ペイントソフト
VTuberのアバターの元となるのはイラストですが、そのイラストを用意するにはペイントソフト(クリップスタジオ・Photoshopなど)が必要です。
ただしイラストといっても、1枚絵ではモデル制作はできません。レイヤー分けして、パーツ毎に描く必要があります。もちろん、モデルを購入するならペイントソフトは必要ありません。
モデリングソフト
イラストを動かす前段階としてモデリングが必要です。イラストを読み取って、実際の動きや表情の変化を反映させるための作業をします。モデリングソフトは「Live2D」が有名です。無料でも利用できるうえ、公式チュートリアルが充実しているため、初心者にも使いやすいですよ。
トラッキングソフト
カメラで読み取った人の表情や動きを、モデリングしたアバターに反映させるトラッキングにもソフトが必要です。よく使われるソフトは「VTube studio」「Animaze by FaceRig」などがあり、3Dなら「3tene」が有名です。OSにより対応可否が異なるので、確認のうえ導入してください。
VTuberの作り方
ここでは2DのVTuberの作り方を解説します。一般的に、キャラデザを元にイラストを作成しモデリングして動かしていく、という流れになります。
1.キャラクターデザインをする
イチからオリジナルキャラクターのアバターを作るなら、キャラデザをするところから始めます。髪型・髪色・目の色・服装など、イメージをイラストに落とし込みましょう。
自分の分身となるキャラクターなので、愛着がわくデザインにしてくださいね。
2.イラストを作成する
キャラデザができたら、実際にペイントソフトでイラストを作成しましょう。
1枚絵だと動かせないので、パーツで分けてイラストを描いていきます。例えば、顔の輪郭・目・眉毛・口といった具合です。モデリングの工程を踏まえて、線画と彩色を別レイヤーで用意すると良いでしょう。
また、VTuberは動きだけでなく表情を変えられるのも魅力です。表情の差分のイラスト(笑顔・泣き顔・怒り顔など)も忘れず作成しましょう。
3.モデリングをする
モデルとなるイラストができたら、次はモデリングです。簡易的なモデリングなら無料版のLive2Dで可能です。
Live2Dの公式チュートリアルを参考にして基本的な操作を覚え、シンプルなパーツからモデリングを練習すると始めやすいですよ。慣れてきたら物理演算設定からより自然な動きをつけていきましょう。
4.モデルを動かす
モデリングしたら、いよいよアバターを動かしてみましょう。
トラッキングソフトを使えば、自分の動きとアバターを連動させられるので、より自然な動きや表情を表現できます。
トラッキングの手順はソフトにより異なりますが、大まかには以下の通りです。
- モデルをトラッキングソフトに出力する
- トラッキング設定をする
- 表情ごとに動きを調整する
- 1つずつマッピングのズレをなくしていく
細かな手順なうえ慣れるまで大変ですが、上手く設定できればアバターのクオリティが上がりますよ。
5.ロゴや背景を用意する
アバターを動かせるようになったら配信をより魅力的にするために、ロゴや背景を用意しましょう。
ロゴ |
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背景 |
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ロゴはデザインツールを使えば自分でも作れます。初心者でも使いやすい無料のツールなら「Canva」がおすすめです。無料でも高機能なソフトを使いたいなら「Inkscape」も良いでしょう。ロゴも背景も統一感のあるものにすると、洗練された印象になりますよ。
VTuberの作り方に関するよくある疑問
ここからはVTuberの作り方に関するよくある疑問に答えていきます。
AIイラストでもVTuberは作れる?
生成AIである程度希望通りのイラストは作成できますが、VTuberを作るとなると難しいものです。現時点では簡易的VTuber作成ツールである「だれでもVTuber」を使えば、AIイラストでもVTuberを作れます。
そもそも、生成AIは基本的に1枚絵を生成するものです。そのため、VTuberに欠かせないイラストのパーツ分けや表情差分の用意は難しく、自然な表情や動きを出すのが困難なのです。今後生成AIの進歩により、パーツや表情差分の作成ができればより現実的になるかもしれませんね。
VTuberを簡単に作れる方法はある?
この記事で紹介した手順よりもっと手軽にVTuberを作りたいなら、スマホアプリを利用すると良いでしょう。顔や体の各パーツを選択・組み合わせてアバターを作るタイプが多く、無料で利用できるものが多数あります。
絵師がデザインしたようなVTuberを作るのは難しいですが、ひとまずVTuberを作ってみたい、配信してみたい、という方には良いかもしれません。ただしアプリによってできることも異なるため注意が必要です。
無料で使えるアプリはこちらの記事で紹介しています。
まとめ|VTuberを作るなら必要なソフトを揃えよう
VTuberを作るには動かすアバターの元になるモデルを作らなくてはいけません。キャラデザから自分で作っても良し、外注しても良し、モデルそのものを購入してもOKです。
モデルを購入して手順をスキップしても問題ありませんが、その後もトラッキングソフトや配信にあたってwebカメラやマイクは必需品です。必要な機材やソフトを揃えてぜひVTuberに挑戦してみましょう。
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