透明感のある目の塗り方〜デジタルのコツや知っておきたいポイントも解説〜
「デジタルイラストを始めたけど目の仕上がりがイマイチ」
「透明感、立体感のある目にするにはどうやって塗れば良いんだろう」
このような悩みはありませんか?
デジタルイラストは上手く使えば立体感や透明感を出せますが、慣れないうちは難しいものです。
そこでこの記事では目の塗り方の手順やクオリティを上げるポイントなどを解説します。キャラクターの目をより魅力的にしたい方はぜひ最後までご覧ください。
目を塗る前におさえておきたいポイント
目を塗る前に、目の構造や光の入り方を理解しておきましょう。
アイビスペイントやクリップスタジオ(クリスタ)などどのようなソフトを利用していても役に立つ基本的な知識です。以下で1つずつ解説します。
目の構造
目の構造をちゃんと理解していますか?目を構成する要素は白目と黒目だけではありません。大まかな認識でなく、目の構造を改めて理解しておきましょう。
特に「黒目」というのは少し複雑なものです。一般的に「黒目」と呼ぶ箇所は虹彩であり、その中心に瞳孔があります。他にも以下の点は、目を描く・塗る前にぜひ意識しておきましょう。
- 虹彩は基本的に丸い
- 瞳孔は虹彩の中心にある
- 瞳孔の大きさは明るさで変わる
キャラクターによっては瞳孔の形が星やハートの場合もあるかもしれません。しかし、原則として上記の目の構造を理解しておくと、キャラクターが正面以外の向きとなっても違和感なく目の表現ができるはずです。
影と光の入り方
目の構造を理解したら、影と光の入り方も捉えやすくなるでしょう。
- ハイライトや反射光は光源によって入れ方を変える
- 影は瞼に沿って入れる
- 目は球体であることを踏まえて影を入れる
特に影は、瞼やまつ毛がひさしのようになっていると覚えておきましょう。影と光を上手に入れられると、目が立体的になり説得力のある表現ができるようになりますよ。
透明感のある目の塗り方〜手順に沿って〜
デジタルで基本的な目の塗り方を覚えたら、次は透明感のある目を目指してみましょう。ブラシ塗りを活用すると、より洗練された目になります。凝ったブラシ塗りはかなり工程が多く初心者には難しいので、比較的簡単にできて垢抜ける塗り方を紹介します。
1.下塗りする
最初に目の下塗りをしましょう。
新規レイヤーを作成して線画とクリッピング(※)したら、黒目の部分にベースとなる色をベタ塗りします。塗りつぶしツールでOKです。
後の工程で濃い色を重ねていくので、この段階ではイメージより少し明るい色にすると良いでしょう。
※ クリッピング:下のレイヤーの線や色の範囲からはみ出さないようにする機能
2.黒目の上半分を塗る
次に黒目の上半分を塗りましょう。
新規レイヤーを作成し①のレイヤーとクリッピングします。①でベタ塗りした色より少し濃い色で黒目の上半分をブラシで塗っていきます。
3.黒目の上部と中心を塗る
さらに新規レイヤーをクリッピングして作成します。②で塗った色よりもさらに濃い色で黒目の上部を塗りましょう。黒目の上の端を瞼に沿ってブラシで塗るイメージです。
目の中心もこの段階で塗りましょう。中心部は瞳孔に当たる部分です。基本的に中心を丸または楕円で塗るものですが、キャラクターの視線の方向により左右にやや寄ることもあります。顔や視線の向きを踏まえて瞳孔を塗ってください。
4.ハイライトを入れる
一通り瞳を塗れたらハイライトを入れましょう。
新規レイヤーを作成し、光源からの光や虹彩の模様を描き入れます。ペン・鉛筆ツールで白を散らすイメージです。また、慣れてきたら下まつ毛の箇所に白い線を描き加えるとより繊細な仕上がりになります。
5.微調整して仕上げる
最後に、顔や全体とのバランスを見ながら調整しましょう。
全体の色のトーンや好みによって瞼の線画の色を変えたり、まつ毛を描き足したりして完成です。
ここまで目の塗り方を紹介しましたが、目はもちろんのこと、目の周りの肌の色や質感も大事です。目の印象を左右するので、肌も丁寧に塗ってみてくださいね。
肌の塗り方に関してはこちらの記事で解説しています。
目の塗り方のクオリティを上げるコツ
基本的な塗り方を練習して慣れたら、次は塗りのクオリティを上げたいものです。以下のコツを試して、初心者から一歩抜け出ましょう。
虹彩の模様を工夫する
塗りに慣れてきたら虹彩に一工夫してみましょう。キャラクターや画風にもよりますが、一例として以下のような模様の付け方があります。
- 瞳の中心に向かう集中線のような模様を描き込む
- 虹彩部分にテクスチャ素材を追加する
- 色の数を増やす
目はキャラクターの個性が出やすいところです。描き分けにもなるので、虹彩の模様や塗り方を工夫してそのキャラクターらしさを表現できると良いですね。ブラシの大きさや不透明度などを調整しつつ練習してみてください。
キャラによって瞳孔の形を変える
瞳孔の形は基本的に丸や楕円ですが、キャラクターによっては違う形を取り入れるのもおすすめです。
どんなキャラクターかにもよりますが、ハートやダイヤの形を使う場合もあります。キラキラさせたい、可愛くさせたいなどイメージにあった形を選ぶと良いでしょう。
瞼やまつ毛も工夫する
瞼やまつ毛にも工夫の余地があります。瞼やまつ毛の線画は元の色のままでも良いですが、光の当たり方に応じて変化をつけるのがおすすめです。
- 光源に近い箇所に光を入れる
- 目尻側の線画の色を変える
- まつ毛の束を白抜きにする
- 性別やキャラによってまつ毛の書き方を変える
線画の色の使い方によっては透明感も出せますし、柔らかい雰囲気にもできます。慣れてきたらぜひ試してみてくださいね。
目の塗り方に関するよくある疑問
ここからは目の塗り方に関するよくある疑問に答えていきます。
キラキラした目はどう塗れば良い?
キラキラの定義は人により異なりますが、キラキラした目を表現するなら以下の方法が挙げられます。
- 瞳孔の形に星を取り入れる
- 虹彩にエフェクト・パターンブラシを使用する
- グラデーションとハイライトを上手く取り入れる
キラキラと一言でいっても色んな表現があります。試行錯誤して自分がイメージする綺麗な目を作ってみましょう。
個性的な瞳にするにはどうしたら良い?
個性的な瞳にするなら、形や色を変えてみると良いかもしれません。
例えば、瞳孔の形は丸や楕円が基本ですが、キャラクターによってはハートやダイヤの形を使うのも良いでしょう。また、まつ毛を白抜きにしての色で個性を出す方法もあります。
オリジナルキャラクターを作るなら、ぜひこだわってみてくださいね。
男性キャラクターならではの目の塗り方ってある?
男性キャラクターの場合は、塗る前の目を描く時点で差をつけておきましょう。
目の縦横比・大きさ・まつ毛など、一般的に女性キャラクターとは異なる傾向があります。
- 縦横比は横長に
- 目の大きさは女性より小さめに
- まつ毛は多すぎずシンプルに
もちろん男性キャラクターの設定にもよります。中性的な顔立ちであったり、美意識が高いキャラクターだったりするなら、上記の特徴は当てはまらない場合もあります。
また、目の描き方についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ|塗り方を練習して魅力的な目を作ろう
目はそのキャラクターの特徴が出やすいパーツです。デジタルイラストの塗り方ひとつで印象も大きく変わります。
デジタルの塗りに慣れたらブラシ塗りで透明感のある目を作りましょう。影やハイライトの使い方が上達すれば立体感が出るうえ洗練された印象になります。さまざまなブラシで練習して理想の目に仕上げてみてくださいね。
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