
フィギュア原型師になるには?独学で目指す方法や必要なスキルなどを解説
フィギュアが好きで、自分で造形してみたい!と考えたことはありませんか?
フィギュア原型師は、フィギュアの基盤となる「原型」を作り出す専門職です。
この記事では、フィギュア原型師の仕事内容から、独学で目指す方法、必要なスキルまでを解説します。原型師に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
フィギュア原型師の仕事内容と流れ
フィギュア原型師は、キャラクターやデザインを実際の立体物として具現化する仕事です。仕事は、企画・デザイン作成・原型制作といった流れで行われることが多いようです。それぞれの仕事内容を紹介します。
企画
フィギュア制作の第一歩は「企画」です。
どのキャラクターを作るのか、ポーズやサイズ、雰囲気などを決定します。この段階では、フィギュア制作会社やクライアントと相談しながら、コンセプトを固めることが重要です。
例えば、人気アニメキャラクターのフィギュアを作る場合、原作のファン層に刺さるデザインを考える必要があります。しかし、いくらこだわって作りたい造形があっても、量産化が難しかったり、コストオーバーしたりといった点から難航する場合もあります。
原型師側から企画書をまとめてプレゼンする場合もあるようです。
デザイン・ラフ作成
企画で詳細が決まったら、キャラクターのラフスケッチやデザイン案の作成です。紙にイラストを描く人もいれば、デジタルイラストで作成する人もいます。
ポーズや表情、服のしわなどを細かく描き込み、完成後のフィギュアの全体像を明確にしたら、クライアントに確認してもらいます。
原型制作
ラフが完成したら、いよいよ原型の制作に取りかかります。原型制作は以下の2通りに分けられます。
- 手原型:粘土やパテなどの素材を揃えて作る
- デジタル造形:3DCGソフトでモデリングしてプリンターで出力する
近年デジタル造形が増えているものの、プリンターで出力されて完成ではありません。デジタル造形でも、表面の細部を処理したり塗装したりといった手作業が必要になります。
フィギュア原型師にとって、最も腕の見せ所となる工程といえるでしょう。
手原型の作り方については、「オリジナルフィギュアの作り方〜必要な道具・粘土の違い・自作のコツなども解説〜」の記事で解説しています。
フィギュア原型師になる方法
フィギュア原型師になるためには具体的にどのような道があるのでしょうか?ここでは主な4つのルートを紹介します。
制作会社に就職する
フィギュア原型師としての最も安定した道は、フィギュア制作会社への就職です。
制作会社では、経験豊富な先輩原型師から技術を学びながら、実践的なスキルを身につけられます。また、企画から原型制作まで一連の流れを経験できる点も大きなメリットです。
求人情報を調べる際は、「フィギュア制作」「原型師」といったキーワードで検索すると該当する会社が見つかりやすくなります。ポートフォリオを充実させて応募しましょう。
イベントに出品する
フィギュアの制作を既にしているなら、同人イベントやガレージキットの展示会に出品する方法があります。
例えば、「ワンダーフェスティバル(通称ワンフェス)」などのイベントに参加することで、同じ志を持つ仲間や業界関係者とのつながりが生まれる可能性もあります。
実際にイベントで注目され、クオリティが高ければ企業からスカウトされるケースもあるため、腕に自信のある人はぜひチャレンジしてみてください。
専門学校や大学で学ぶ
フィギュア原型師になるために、専門学校や大学で造形やデッサン力、3DCGについて学ぶのも有効です。
特に造形やデザインを学べる美術系の学校では、基礎的な技術や知識を体系的に身につけられます。フィギュア制作会社の求人によっては、歓迎要件として「美大やアート系の専門学校卒」と記載されているものもあります。
立体造形や3Dモデリング、彫刻など、幅広い技術を学べるため、これからフィギュア原型師を目指す初心者にも良いかもしれません。
フリーランスの原型師として活動する
ある程度の技術や実績がある場合、フリーランスとして活動する道もあります。
フリーランスは自由度が高い一方、営業活動や自己管理能力が求められます。クラウドソーシングやSNSを活用して、自分の作品を広めていくことがポイントです。
フィギュア原型師になるために必要なもの
フィギュア原型師になるためには、特定のスキルや資質が必要です。以下に、特に重要なポイントを挙げました。
立体造形の技術
原型師には、キャラクターやデザインを立体的に再現する技術が必要不可欠です。手作業やデジタルで再現するには以下のスキルが求められます。
- 粘土や樹脂を用いた手作業の彫刻スキル:細部までリアルに作り込む技術
- 3Dモデリングツールの操作スキル:ZBrushやBlenderなどでモデリングする技術
粘土や樹脂、3Dモデリングソフトなど、さまざまな手法に対応できるスキルが求められます。デジタル造形が増えた今でも、細かい箇所の処理や塗装で手作業は必要であり、造形力がいかに重要かが分かるでしょう。
デッサン力とデザインセンス
原型制作には、物体の形状やバランスを正確に把握するデッサン力が求められます。デジタル造形でも、最初のラフやデザインは欠かせません。
キャラクターのポーズや表情を的確に描ければ、立体造形の精度が向上します。また、デザインセンスがあると、作品の魅力に大きく影響するでしょう。キャラクター性を引き立たせる表現力も欲しいものです。
細部へのこだわり
フィギュアは、細かいディテールが命です。
たとえば、服のしわや髪の毛の流れ、衣装の質感、表情の微妙なニュアンスなどにこだわることで、作品のクオリティが大きく変わります。
コミュニケーション能力
制作会社やクライアントとのやり取りでは、コミュニケーション能力が重要です。クライアントや制作チームとアイデアを共有し、修正依頼や要望に対応する能力が求められます。
相手の要望を正確に理解し、それを形にする力が求められるでしょう。
フィギュア原型師に関するよくある疑問
ここからはフィギュア原型師に関するよくある疑問に答えていきます。
フィギュア原型師は独学でもなれる?
結論からいえば、独学でもフィギュア原型師になることは可能です。
実際に、独学で技術を身につけ、SNSやイベントを通じて注目され、プロとして活躍する人もいます。ただし、独学では基礎的な部分を習得するのに時間がかかるうえ、イベント出品でスカウトされるには、かなりの腕前が求められます。
完全に独学よりは、学校で学んだり、制作会社への就職を目指したりする方が、効率が良いかもしれません。
フィギュア原型師の年収はどれくらい?
フィギュア原型師の年収は、制作会社に勤めるなら一般的な会社員と大きく変わりません。求人を探してみると、年収325〜400万円程度の募集が目立ちます。
一方で、フリーランスの場合は、1体当たりの金額が収入となります。受注する仕事量やスキル次第で年収も大きく変動するため、有名な原型師になれば高収入も期待できるでしょう。
まとめ|フィギュア原型師になるには造形から学ぼう
フィギュア原型師は、フィギュア好きにとって夢のある職業です。
独学でも目指せますが、デザイン力や造形技術を磨くことが欠かせません。まずはデッサンや立体造形の練習から始め、イベント出品やSNS活用を通じて自分の作品を広めていきましょう。
フィギュア原型師になるにはいくつかの方法があるため、学校で造形から学んだり、制作会社への就職を目指すのも良いでしょう。まずは、必要な知識やスキルを学ぶために一歩を踏み出してみましょう。
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